自然保護地区を歩いていて3,000年前の墓に遭遇し、太古に思いを馳せた。(890文字)
スウェーデンには3,000年前の有力者の墓が無数に点在している。墓といっても、もっとも古い形態はたくさんの石を積み上げた直径数十メートルに及ぶ一帯で、柵で区切られているわけでもないのでそれと気づかないまま墓の上を歩いていることになる。
よく知られているルーン石碑はたったの千年前
スウェーデンの古代の墓といえばルーン文字の刻まれた石碑が有名だが、ルーン石碑が造られたのは700年から1100年ごろだから920〜1,300年前。
簡単に探せた写真が逆光でよく見えないが、今回の主役はこれよりもっとずっと前の墓。
三千年前の墓 (Gravröse)
直径30メートルあるのでカメラに全貌を収められなかったが、これが墓の一部。たくさんの石が小山状に盛り上げて積み上げられている。目前に海があり、海抜65メートルのこの墓は、当時の船員たちの目印になっていたという。
以下の画像は立て看板より「三千年 (3000 år) 」の表記がある部分。
紀元前500年〜紀元後1050年の墓 (Stensättning)
上の墓のすぐ近くには、上の墓から約二千年後の墓もあった。Stone-settingと呼ばれる形態で、真ん中に石が置かれた周りを石で囲ってある。上の墓とちがい意図された模様になっており、周囲は円、三角、四角以外に船の形をしているものも多い。以下の写真は船形。こちらも大きくて全貌が写せなかったが、尖った石でかなりの広範囲が囲まれていた。これでひとつの墓。
火葬が主流
当時から火葬が主流だったが、まれに土葬も見られた。墓には陶器の壺や装飾品や道具がいっしょに埋葬されていた。(現地の立て看板より)
撮影場所
ストックホルムから南へ100キロのニショッピング(Nyköping)という町のTunabergsの自然保護地域。写真には雪が見えるが、この冬は、今のところ12月25日に降った以外は雪はたまに散らつくこともある程度で、ストックホルムは白くない。