「ベン・ハー!その2」
(文=ケゾえもん)
チャールトン・ヘストンと言えば映画十戒のモーセ役が強烈なんだけど、ここで私が好きな小話をひとつ披露。
「神から諫めを授かってきた。それについて良いニュースと悪いニュースがある」
ユダヤの長老たちは聞き耳を立てた。
「先ず良いニュースだが、神との厳しい交渉の結果、諫めをわずか10項目までに削除してもらうことに成功した」
長老たちは、良くやったとモーセを称えた。そこでモーセは言い難そうに話すのだった。
「そして悪いニュースだが、神はどうしても なんじ姦淫するなかれ の項目を削除することを承知されなかった」
長老たちは残念そうに天をあおいだ。
さてベン・ハーに話を戻そう。映画ベン・ハーに突っ込みを入れるというのが目的だった。
先ずこの競技場の構造に文句を言いたい。これはグラディエーターたちが戦ったコロッセオ型ではなく、戦車競走専用競技場である。オーバルコースがあり、中央にこれ見よがしの巨大オブジェがある。この巨大オブジェに文句をつけたい。だってこれじゃ競技が見難くてしょうがないじゃないか。
ところで映画ベン・ハーに原作本があったことを思い出した。探してみたらあったあった。高校生の時に読んだんじゃないかな、内容は完璧に忘れている。
さっと速読してみると、ローマのマキシムス戦車競技場より立派なものをユダヤの地に作ったとある。マキシムスを検索してみると遺跡の写真があった。この構造なら戦車競技場として相応しい。私は映画ベン・ハーを見て映画の戦車競技になにかさびしいものを感じていたんだが、今ようやく理由がわかった。こんな競技場では競技観覧を楽しめない。観客との一体感がまるでないではないか。(続く)
(2021/5/10 ケゾえもん 記)
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