【ケゾえもんオペラ寄稿】ウィーン国立歌劇場のクロークとトイレ事情

(1,600文字)

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(2023/3/22 ケゾえもん寄稿)
東京でオペラを聴きに行くとなると、NHKホール、東京文化会館、新国立劇場くらいになるだろうか。こういうホールにはクロークがある。こういうクロークにコートを預けようとすると手順は以下だ。

1.いくつかの列があり、そのいずれかの列に並ぶ。

2.順番が来るとコートを渡す。

3.その時「貴重品などポケットに入っていませんか」と聞かれるので大丈夫だと答える。

4.係のものは後ろのハンガーラックのある部屋に行き、コートを収納してくる。

5.その際に係のものは番号のついたプラスチックの札をハンガーにとりつけ、同じ番号のプラスチックの札を持って戻ってくる。

6.その札を渡してもらえる。(終り)

まっ当たり前のことを書いた。それでクロークのカウンターの幅はいくつも列があるので8メーター、10メーターは取ってある。ところがウィーン国立歌劇場のクロークは幅2メーターくらい。良くおぼえていないけど2人ほどのおばさんが取り仕切っている。みんな列なんか作らない。カウンターに押し寄せカウンターの上に自分のコートを置いて待つ。やがておばさんがやってきて、コートを取り上げ紙の半券を渡す。それで終わり。おばさんはすぐ後ろのハンガーラックにコートを掛けると次のコートにとりかかる。とにかく電光石火、ぜんぜん待たないで済む。

今だと私はもっと慎重でそういうドジをしないんだけど、当時わたしはどうしても次の幕間に取り出したいものがコートのポケットにあった。それでクロークに行って済まないんだけどポケットの物を取り出したいんだと言った。
ふん、と鼻をならした(かどうかはさだかでないけど、そんな感じ)おばさんは私の半券を受け取るとハンガーラックに向かい、山のようなコートの中から再び電光石火わたしのコートを取り出し渡してくれた。魔法としか言えない。

日本のコンサートホールではみんな休憩時間にはトイレに行く。それで相当な数のトイレが作られているがやはり女子トイレには行列ができる。ところがウィーン国立歌劇場では確か2ヶ所くらいしかトイレがない。そのトイレには男性の小便器など2つくらいしかなく、もしかしてブースもひとつ。女子は知らないが似たような規模だろう。ところが幕間に誰もトイレに行かず優雅にシャンパンなど飲んでいるんだ。従って行列もできない。どれだけの膀胱の容量をもっているんだ?と不思議でしょうがなかった。

トイレと言えばNHKホールでトイレの改修があり1階の男子トイレが女子トイレに変えられたことがあった。おいそれとトイレの数は増やせないので女子の行列緩和のための苦肉の策だろう。ぼんやりしていた私は、「おー久しぶりに1階のトイレが使えるようになった」と喜んで、ずかずか女子トイレに入ってしまった。最初気が付かず、なんか変だと思っただけ。別にキャーっという叫びも起こらず、時々怪訝な顔をする人がいた気がするが多くの人は完全無視。たっぷり5秒してここは女子トイレだと気が付いた。いやんなっちゃうよな。

トイレ事情で言えばニューヨークのメトロポリタン歌劇場には日本ほどの数のトイレはない。
ニューヨークの人はウィーンの人よりトイレに行き、従ってニューヨークは男子トイレにさえ行列ができる。

メトロポリタン歌劇場はセントラルパーク脇の少し寂しい場所にあるので、夜にオペラが終わって5番街などあるにぎやかエリアに行くまでに7,8百メーター寂しい道を歩かないといけない。かと言ってオペラが終わるとタクシー争奪戦が起こるのでいつも徒歩で帰っていた。

いま、ニューヨークに限らずアメリカの各都市はコロナのせいで以前より治安がいちじるしく悪くなっているらしい。強盗が銃持ってるからねぇ。とうぶんはメトロポリタンオペラ行くのは控えようと思っている。まっブロードウェイなら帰り道心配ないでしょ。ミュージカルにしておこう。

(2023/3/22 ケゾえもん記)



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