【映画寄稿】「ベン・ハー」5、イエスが起こした奇跡、私のお気に入り (ケゾえもん)

Sponsored Link

教養あふれるケゾえもんによる「ベン・ハー」に関係ない話の多い楽しい読み物。ちびくろサンボやルーブル美術館ほか、雑学知識満載のお勧め記事!(2,100文字)

ケゾえもんイメージキャラクター

「ベン・ハー!その5」

(文=ケゾえもん)

1959年の映画「ベン・ハー」

「ベン・ハーに、いちゃもん」というテーマで始めた連載だが、だんだん別にいちゃもんつけなくていいやと言う気になってきてる。(私、はなし脱線ばかりしてるし)

ホクオ
おかげで前回から、シリーズの表題を変えちゃったんですよね。

「ベン・ハー」映画に、いちゃもん

そりゃ私から見るといろいろある。どうしてベン・ハーの母と妹はらい病になったことがわかったのにそのまま釈放されたの? どうして没落させられたエルサレムの一等地に立ってる筈のハー家に当時の召使たちが住んでられるの? らい病患者の居留地の崖の上から食料を渡すシステムは納得だけど、ちょっと行くと小道があってすぐ崖の下に出られるって安易過ぎないか? 重態だと言う妹がよたよたでも長い距離歩くのはどうなのか? キリストが死んで大雨になったちょうどその時、雨宿りに絶好な岩がせり出した場所の前にいるというのはこれまた安易過ぎないか? キリストに水をあげたベン・ハーがキリストが死んでがっかりして帰宅するのはいいけど、あれだけ心配した母と妹をおっぽり出したままっておかしいだろ。

ささいなことかもしれないけれど、黒澤映画の場合こういう突っ込みをするような箇所はないんだ。本当だから一度その観点で各作品を見直してごらん。

イエスの起こした奇跡

さて、「ベン・ハー」で、イエスは母と妹の病気を治したのだけれど、病気を治すというのはイエスの起こしたという奇跡(新約聖書参照)の中でも回数の多いものだ。他にイエスの起こした奇跡で子供のころから私の印象に残っているものは、水を酒に変えたというものだ。

どうしてこの奇跡が好きかと言うと、酒を飲まない子供のうちから、ただの水がおいしいワインに変わったというのはもう心の中で舌なめずりさせられて、つまり私の心の琴線に触れたわけなんだ。

ホクオ
この奇跡の話、知りませんでしたが、実に興味深いです。気功の熟練者も、簡単に飲み物の味を変えられるそうですよ。

同じく私はバター好きなのでちびくろサンボという童話で虎がぐるぐる回ってバターになるという話は強く強く心に残っている。

ホクオ
なつかしい! このシーン、私も大好きでした!
※ホクオ注:人種差別の撤廃を訴える運動により、このような絵本は最近の西欧社会ではタブー視されている。


ワインの奇跡は、婚礼の宴会でぶどう酒がなくなって、イエスの母がどうしよう?とイエスに言ったらイエスはワインの壺に水を入れろと指示する。いくら酔っ払いばかりでもばれるだろと母親が心配したら、それが最高のワインになっていて、世話役が、「酔っ払ってから安物ワインでごまかすのが常だけど、最高のワインを残しておいたあんたは偉い」と言ったそうなのだ。

しかしこの奇跡、新約聖書にわざわざ書いてあるわけだけど、病人治すのはわかるけど、奇跡の無駄使いでない?と私など考えてしまう。

このワインの奇跡をテーマに描かれた有名な絵は、ルーブル美術館のモナ・リザの向かいに飾られている「カナの婚礼」。向かいと言っても部屋が広いから30メータくらい向かいだ。この絵7メータ✖️10メータもありルーブル最大、ナポレオンのイタリアからの略奪品だ。ナポレオン没落の後、各国からのルーブル収蔵品に対しての返還要求をあの手この手でくぐり抜けた当時のルーブル館長ドゥノンが言ったこの絵が返せない理由は、大きすぎて傷んでおり輸送に耐えられない(嘘)。だけどそれで絵はルーブルに残った。

しかし、新約聖書が言うイエスが奇跡を起こしたという結婚式は中東ガリラヤの小さい村の筈だけど、「カナの婚礼」ではイタリア貴族の大結婚式になってしまっていて、なんのこっちゃ、ぜんぜん無理があるだろと思ってしまう。なにも誰がみても新約聖書に反するバーチャルな世界を修道院を飾るために描かせても(修道院が注文して描かせた)しょうがないのではと私など思ってしまう。わからん。

(続く)

私の好きなイエスの奇跡、今回は、「カナの婚礼」よりワイン部分を切り取ってカバー写真とした。

※ルーブル美術館収蔵「カナの婚礼」Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Droits réservés /distributed by AMF-DNPartcom

(2021/5/14 ケゾえもん 記)


【映画寄稿】「ベン・ハー」4、ペテロとパウロ (ケゾえもん)前のページ

【芸術寄稿】グーグルアートで至福の名画鑑賞(ケゾえもん)次のページ

関連記事

  1. ケゾえもん

    【芸術寄稿】グーグルアートで至福の名画鑑賞(ケゾえもん)

    ルーブル美術館や名画に関心のある方のための、ベン・ハーはまったく出て…

  2. スウェーデン、ストックホルム

    欧州歌合戦2012でスウェーデンロリーンのユーフォリアが優勝

    スウェーデン人歌手が、2012年5月26日、「ユーロビジョン・ソング…

  3. コロナ

    【コロナ寄稿】変異ウィルスなるものに物申す(ケゾえもん)

    ケゾえもんイメージキャラクター「変異ウイルス報道はすべてガセ…

  4. スウェーデン、ストックホルム

    Carl Malmstenの椅子

    オフィス「こころの森」の小さな空間で、いちばん大切な役割を担う椅子…

follow us in feedly

スポンサーリンク




最近の記事

人気記事

  1. スウェーデンのゆるいコロナ対策は失敗か?死亡率グラフで一目瞭…
  2. 【コロナ寄稿】明けないコロナの夜明け:コロナの終戦はいつ?(…
  3. スウェーデンでタコパ:こだわりタコ・ラブラブわんこ・およげた…
  4. 報道ステーションでスウェーデン:日本人はなぜコロナをそんなに…
  5. 小林よしのり「ゴーマニズム宣言コロナ論」とケゾえもんコロナ映…
  6. 「スウェーデン方式の真相」と老人のコロナ死を自然死だと言えな…
  7. 不朽の名作映画「ニューシネマパラダイス」
  8. 流行の北欧ぬりえ作家ハンナ・カールソン、自分の両腕にもぬりえ…
  9. スウェーデンの夏休み:コロナに負けず遊びざんまいの2ヶ月半、…
  10. 【コロナ寄稿】たけしのTVタックルで三鴨廣繁がぼろを出す(ケ…
  1. 日本

    日本雑感
  2. コロナ

    脚本で振り返るコロナ騒動:ケゾえもんシネマ「Covid19」 第9話
  3. スウェーデン、ストックホルム

    スウェーデンのコロナ戦略を支持する国民の盲目的愛国主義の危険性:ワシントンポスト…
  4. 食、レストラン、カフェ

    安くて美味しいリースリングワインといえば”カンフー・ガール”
  5. スウェーデン、ストックホルム

    スウェーデンの画家
PAGE TOP