(2023-10-26 ケゾえもん記)
三幕はミッション・インポッシブルが行われる。
つまりオックスを懲らしめよう、そして舅のファーニナルにオックスがどんなに悪いやつか知らしめよう、そのためにオクタヴィアンは大作戦を実行する。
手筈としてまずオックスに手紙が渡される。
「あたしは元帥夫人付きの小間使いのマリアンデルです。こないだの朝に元帥夫人の寝室でお会いしたときは失礼しました。実はあなたに興味があるのですが、元帥夫人の手前申しあげられなかったのです。一度お会いしたいです」
という内容だ。好色のオックスはあの「美人」の小間使いかぁと喰いつく。詳細は説明しないが酒場が貸し切られ、ベッドのある部屋まで用意されオックスとマリアンデル(オクタヴィアンの女装)の密会が始まる。
オックスはマリアンデルが自分を傷つけた嫌なやつのオクタヴィアンとそっくりなのには気づいている。しかし元帥夫人付きということもあり、先代のロフラーノ伯爵(オクタヴィアンの
父)がイケメンで女遊びが激しく、あちこちに落としだねを作っているといううわさは聞いておりマリアンデルもそのひとりだろうと勝手に思い込んでいた。
執拗にからんでくるオックスを「いやーん、うっふん」と必死にあしらうオクタヴィアン。ベッドのある部屋をみつけて「どうして?どうしてお寝間があるの?」などと聞く。
その後の仕掛けはもう箇条書きにする。
ただし入り組んでいるし記憶で書くので多少の前後とか間違いがあるとは思う。
1.女が子供をたくさん(10人ほど)連れて乱入、オックスが自分の夫だと主張する。
2.収集がつかなくなったオックスはつい通りの警官を呼ぶ。
3.警官隊の隊長はオックスのことを非常にあやしむ。男爵だと言われても信用しない。
4.オクタヴィアンの謀略でファーニナルが呼ばれてくる。そしてこのありさまは婿殿どういうわけだとなじる。
5.警官隊長はこんどはファーニナルにたいしてお前は誰だと疑う。
6.娘婿だと言うのを信用しないので、ついにファーニナルは馬車で待ってる娘を連れてくるはめに。
7.それで遂にゾフィーも登場。
8.気分が悪くなったファーニナルはゾフィーに抱えられて一度退場。
9.警官隊長はオックスを未成年の娘をかどわかしていたのだろうと逮捕も辞さない様子。
10.子供たちがオックスにパパ、パパとまとわりついてもう収拾がつかなくなる。
あれここらへんでわからなくなってきた。一度調べる。
いま調べたがおおむね上記ストーリーで大丈夫。(それにちょっと直した)
まあとにかく事件関係者はどさくさのうちに退場して関係者ではオックスとマリアンデルだけが残る。オックスは警官にもう帰って良いと言うが警官隊長はそうはいかんとオックスを追及するつもり。そこでオクタヴィアンが話があると警官隊長に耳打ち。警官隊長はにやにや笑いだし二人でカーテンで仕切られたお寝間に入る。
お寝間から警官隊長が出てくるたびに女性の衣服や下着を持ってきてにやにやしている。
それを見てオックスは怒りだす。
「おい、彼女はまだ処女だ!検査なんか必要ない。だってまだやってないんだ!」
オックスは怒って寝室に乱入しようとするが他の警官に阻まれ果たせない。オックスにとっていよいよ事態が悪くなり、ここにいないファーニナルへの疑いもまだ残っているというときに突然に音楽が高鳴り居酒屋の主人が駆け込んできて言う。
「元帥侯爵夫人のお成りです!」
二人の武官(1名はおそらく私の創作のファビオなんちゃって)にガードされ元帥夫人が現れる。警官隊長は直立不動となる。元帥夫人は警官隊の隊長に話しかける。
「あなたはわたしをご存じ?」
「はい!」
「たしかあなたは元帥の伝令をなさっていたわね」
「そうであります、マダム」
「警部殿、全てがただの笑劇で、それだけのことですの」
「よくわかりましたマダム。我々はこれで撤収させていただきます」
この後、事態は進み、最後は舞台にはゾフィー、オクタヴィアン、元帥夫人の3人だけが残り、白眉の・・白眉の有名な女声三重唱が始まることになる。
(ケゾえもん)
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