コロナ・シネマ第9話の予習教材(ケゾえもん寄稿)
■「専門家の意見は絶対鵜呑みにするな:児玉教授も松本教授も」(2020/07/23)
■「姜尚中もそんなにコロナが怖いのか:みんな洗脳されている!」(2020/07/30)
■「声を震わせながら発表された児玉説はすでにハズレている、から岡田晴恵まで」(2020/08/17)
ケゾえもんシネマ「Covid 19」第9話
<7月16日 参議院予算委員会(閉会中審査)>
児玉龍彦東京大学先端科学技術研究センター名誉教授(泉谷しげる)が発言していた。
「私は今日、極めて深刻な事態になりつつある東京のエピセンター化という問題について国会議員のみなさまに全力をあげての対応をお願いしたくて参りました」
「今、杉尾議員からご指摘のありました通り、このウイルスは中国発生なんですが、コロナウイルスというのは中国南部から風邪コロナなどさまざまなウイルスがあります。
さきほど発生率の問題がありましたが私ども抗体プロジェクトからこの交差免疫という似たウイルスに対する免疫があって東アジア諸国では一定の数におさえられる傾向が強いということを予測してまいりました」
「ところが第一の波、武漢中国の旅行者から来たものはすっと割と自然と消えて参りました。
第二の波、これは例えば東京大学でも欧米からの帰国者が1000名を数えましたが、3月下旬をピークとしておこっていたものを追跡して参りますと実は緊急事態宣言を発する前から自動的に減り出しております」
総理と官房長官は隣り合わせで座っていた。
内閣総理大臣(草刈正雄)「すっとウイルスが消えたなんて聞いてない」
官房長官(笑福亭鶴瓶)「わても初耳どす」
「それでこれは一体どういうことだろうと思い非常に興味を持ってみてまいりましたが、もうひとつ東アジアの国々が力を入れて対応しているエピセンターというのに気づきました」
「クラスターとエピセンターはまったく違います。エピセンターはそこに一定数の無症状の方が集まりさらにその中に私ども7月7日に緊急の記者発表を行いましたがPCR検査陽性の方の中でも無症状の方を見ていきますと抗体が作られない方がいらっしゃる」
「いわゆるスプレッダーになる可能性のある方がいらっしゃるということに気づき、そして第1の波、第2の波のときこれをきちんと制圧して無症状の感染者をなくしていくいうことを行うべきだったのにそれが行われないままに実際に東京の中に今、エピセンターが形成されつつあると思っております」
内閣総理大臣(草刈正雄)「俺がばかなのか?クラスターとエピセンターの違いがまるで理解できない」
官房長官(笑福亭鶴瓶)「大丈夫だす。説明になっておまへん」
「これをもう一つは遺伝子のゲノム疫学というのを見ますと第1の波は武漢型です。第2の波はまあ武漢型からイタリア、アメリカ型へと変わっています。
ところが現在私ども地方自治体に支援を頼まれて参ったりするとゲノム配列の報告を見ますと東京型埼玉型になってきております。つまり日本の中にエピセンターが形成されている。
これを国の総力をあげて止めないと未来のニューヨークの二の舞になるということを懸念しております」
内閣総理大臣(草刈正雄)「つまりエピセンターが形成されている、と言うがどうしてそうかわからない」
官房長官(笑福亭鶴瓶)「心配おまへん。わてもわかりまへん」
その時、官僚がひとり近づいてきてひざまずきながら総理と官房長官に言った。
「次官に言われて来たのですが、野党が見ています。私語はお止めになった方が」
数人の野党議員の冷たい視線に気が付き、総理はコホンとひとつ咳をした。
官房長官(笑福亭鶴瓶)「ひっひっひっ、西村大臣見てみなはれ。目を白黒させてまんで」
内閣総理大臣(草刈正雄)「しっ」
官房長官も黙った。
西村経済再生担当相(ダンカン)の答弁が始まっていた。
「えー疫学的な様々なことで議論があることも承知しております。
いくつか共通の認識を持っておりまして、先ず新宿がひとつの大きな感染源になっていること。
これをまあ、クラスターと呼ぶかエピセンターと呼ぶかは別としてですね。新宿区と東京都と連携して・・」
官房長官はにやにやして、さっきの半分くらいの小さい声で言った。
官房長官(笑福亭鶴瓶)「あの、わけわからん発言の答弁は苦労しますやろ」
それを聞いて、さっきまで憤慨していた首相もにやにやし始めたのだった。
西村大臣はあせあせ答弁を終えた。
再び児玉教授の声が響いた。
「国会にぜひお願いしたいのは、こうしたものを総力をあげて投入して一挙にしかも責任者を明確にしてそのトップダウンで前向きの対策をただちに始める」
児玉教授は声を震わせた。
「そうしないと今日の勢いでいったら来週はたいへんになります。
今日の勢いでいったら来月は目を覆うようなことになります」
内閣総理大臣(草刈正雄)「えらいやつを呼んだな。誰が呼んだんだ?」
官房長官(笑福亭鶴瓶)「立憲民主の杉尾さんですがな」
総理の隣に座っている副総理(ビートたけし)はさっきから考えごとをして
目をつぶっているふりをして、ほとんど寝ていた。副総理の得意技である。
<この物語はフィクションです。実在の人物とは関係ありません>
(2020年9月6日、ケゾえもん記)