【ケゾえもんオペラ寄稿】薔薇の騎士について語りたい その6

(2023-10-27 ケゾえもん記)
薔薇の騎士に関連して、話したいことが多くて自分でもうまく話せるかわからない。また何を話すか自分でも予想できない。まあやってみよう。

1994年10月7日、クライバー指揮の薔薇の騎士の初日、私は興奮して家に帰ってきた。その日わたしは薔薇の騎士の3幕終わりでの女声三重唱とはどんなものかクライバーに教えてもらっていた。それは言ってみれば宝石の海の中に心地よく浸かっているようなもの、この世に美しいものがあると言えるとするとこれだろうというようなものだった。

私もクラシックファンだからいろいろな薔薇の騎士は録音で聞いてきた。もちろんクライバーがウィーン国立歌劇場で指揮したときの薔薇の騎士のライブのレーザーディスクも聞いていた。それでもこの三重唱がこんなにもすごいものだと言うことは、知らなかった。知らなかったのだ。

しかし今晩はもうわかったぞ!と、ウィーン国立歌劇場のクライバー指揮のレーザーディスクを再生してこの三重唱を聞いてみて、唖然とした。入っていないのだ!この録音の中には今聞いてきた「あれ」が入っていないのだ。これにはまいった。録音に入ってないからこそ私はいままで薔薇の騎士の終幕女声三重唱のすばらしさを知らなかったのだ!

ちょっと説明すると、私はクラシックファンでもあり、オーディオファンでもある。それもかなりストロングなオーディオファンだ。だからかなり十全な方法で音楽を再生できている。以前も話したがウィーンフィルのフルーティスト、ウォルフガング・シュルツさんを自宅にお招きしたときもメトロポリタンオペラのセビリアの理髪師のレーザーディスクをプロジェクターでお見せしたが(ひとつの幕を全部上機嫌で聞いてくれた)その後にお前のオーディオはパーフェクトだと言ってもらえて、そうだろうそうだろうと思い、とてもうれしかった思い出がある。まあシュルツさんがそう言ったからと言って私のオーディオがすばらしい証明にはならないだろうが、とにかく私のオーディオは工夫に工夫をかさねて理論的に良い音を追及してすばらしい音が出るのだ。信じてくれ。

お金をかけたシステムを持っている人のところへ行って、どうです?と聞かれると「えーすばらしいです」と答えるが、本当は私のシステムとは比べ物にならないくらい貧相な音で鳴っている。工夫と用心深さが違うのだ。

前にもちょっと説明したが、私の場合、左右チャンネルの独立に非常な神経を使っており、アンプや付属機械はもちろん電源も左右チャンネル独立である。本当は電気は左チャンネルは九州電力から右チャンネルは北海道電力から直接取ってくるのが理想だが、とうぜんそうはいかないのでそうなっていないができる範囲での努力はしてある。そういうことをするとそういうことをしないシステムとはまったく次元の違う音になる。

レーザーディスクなんかで聞くからだめなんじゃないかと思うかもしれないけれどレーザーディスクには48キロヘルツ16ビットのCDと同じ程度のクォリティのデジタル音声が入っている。ただしディスクが大きく不安定でCDと同等とはならないのだけど私のレーザーディスクは改造を頼んであり、デジタル音声信号をコントロールするのに大切なサンプリング周波数に関連するクォーツ部品をセシウム部品に取り換えるなどしてあり驚きの音質を持っている。クォーツは10日で1秒しか狂わない精度を持っているがセシウムは1桁高い精度なのだ。普通に考えると10日で1秒なら充分と思うかもしれないがクォーツとセシウムでは音がまったく違う。

ウィーンでのクライバーの公演はCDでも発売されていて、もちろん私はCDの方も聞いたが「あれ」は入っていなかった。あえて説明すると「あれ」とは宝石の海に浸かった感じを言う。

註:カバー写真はイメージであり、わたしのシステムではありません。

(ケゾえもん)



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