スイスのある州でコロナ規制強化への反対運動があったという話を教えてもらった。このニュースはデモの規模がそれなりのものだったのにも関わらず大きく取り上げられていないので、調べてまとめた。ついでに、ヨーロッパでのマスク反対運動、スウェーデンの現在のコロナ状況、仏・独・英の2回目のロックダウンの様子についても書いた。(全2ページ2,900文字)
Contents
スイスでコロナ規制強化への反対デモ
2020年11月21日土曜日午後、スイスのシュヴィーツ州ラッヘンで、コロナ対策が強化されたことに反対するデモが行われ、約1,000人が着用を義務づけられているマスクをしないで集会に参加した。[出典:ルツェルン新聞(ドイツ語)]
この情報を教えてくれたスイス人によると、デモが行われたシュヴィーツ州は1291年のスイス建国時の立役者である三つの州の一つで、独自の考えを持っていることで知られている州だという。スイス(ドイツ語でSchweiz [シュヴェーツ])という国名もこの国に由来し、シュヴィーツ州旗がスイス国旗のもとになった。自立心のある地域の市民が、誇りをかけて立ち上がったようだ。
以下は、とくにヨーロッパでのマスク反対運動について調べたことで、上のスイスでのコロナ規制強化への反対運動とは直接には関係がない。
ヨーロッパのマスク反対運動
ヨーロッパでは、アメリカやカナダに比べるとマスクに反対する運動は多くないが、これまでに以下のようなデモがあった。
●スペイン:8月半ば、約2500人のマスク反対派がマドリッドで集会を行った。
●イタリア:9月5日に約1000人がローマに集まり、コロナウイルスに関する政府の対策、なかでもとくにマスク着用と、就学年齢に達した子供へのワクチン接種義務に反対するデモを行った。
●クロアチア:「Covidは嘘だ」「マスクを外せ、テレビを消せ、脳を目覚めさせて、人生をしっかり生きろ」などプラカードを掲げ数百人規模のデモが行われた。
●フランス:8月29日パリで最初のマスク反対デモが決行された。参加者は2~300人と少数であったが、SNS上では約13,000人が登録している反マスクグループもある。
フランスで行われたマスク反対者の調査
フランスの社会学研究者であるブリスティエル准教授は、1,000人以上の反マスク派を対象にアンケート調査を行った。2020年9月7日に発表されたその結果報告書によると、マスクに反対する人たちの反対理由は、以下の4つにまとめられる。
マスクに反対する理由
1. マスクにはウィルスを妨げる役目を持たないから、意味がないため。
2. マスクは十分な酸素を妨げ、バクテリアの巣窟を形成するから、意味がないだけではなく危険だから。
3. パンデミックはすでに終息している、または最初から存在しなかったから。
4. マスク着用義務化は、国民の自由を奪い奴隷化することにつながるから。
フランスでマスクに反対する人の特徴
同報告書によると、マスク反対者には以下のような特徴がある。
1. 女性が多い。:一般的に男性よりも慎重だと思われる女性が、予想に反して63%と過半数以上を占めている。
2. 平均年齢は50歳。:予想より高い年齢層であった。
3. 学歴が高め。:平均「バカロレア(高校卒業試験)+2年」
4. 管理職以上が多い。フランス人全体に占める管理職以上の割合が18%に対して36%を占める。
5. 政治的には保守派が29%と最も高いが、マクロン大統領を信頼するのは2%、カステックス首相を信頼するのは3%と極端に低い。
仏・独・英の2回目のロックダウンの様子と、スウェーデンの現在は次のページへ。