「未来は良い未来か?」
(2024/5/9 ケゾえもん 記)
人類が遭遇するであろう危険について、考えてみたいと思う。いま生きている人は、運がよければ逃げ切れるかもしれないが、いまから生まれた子供は、巻き込まれる可能性は高いと考えている。
1.石油の枯渇。結局、近代文明は石油(石炭、天然ガス等地面から出るエネルギー含む)に頼っている。30年前30年後に石油は枯渇すると言われていたが、そうはならなかった。いまも石油はじゃんじゃん出ている。しかしおそらく100年以内に枯渇する。ナウル共和国はリン鉱石でお金持ちになったが、枯渇するのは目にみえていたのに、枯渇するまでなにもできなかった。
石油が枯渇するとただちにエネルギーは配給になる。自由にエネルギーは使えなくなる。エネルギーで成り立っている近代文明は使えなくなる。自動車も海外旅行も、近代医療もなしということになるだろう。自動車と海外旅行はがまんするにしても、近代医療が使えなくなるのは痛い。わたしは近代医療がなかったら、足には骨折の後遺症が残ったことだろうし、左手首には血管腫の大きなふくらみがあったままだろうし、右小指は腱が切れたままだろうし、左手も骨折の後遺症で変型して多少不自由だったろうし、左目は網膜剥離で失明していただろう。歯の矯正もできず、左側では物が噛めないままだったろう。そして将来白内障で失明する可能性は大だろう。
2.人類はここ1万年、ものすごく温暖で安定した気候の状態(ホロセン期)を享受できた。
その中でも少しでも定常と違う気候になると、作物ができなかったり、砂漠化したり、ひどいことになるのは承知の通り。この安定した気候が突然終わりを告げても、文句は言えない。短期的には二酸化炭素の温室効果で気候が変わると、簡単に全地球的飢饉が襲ってもおかしくない。
3.核兵器が超大国だけのものではなくなっている。一度使われたら歯止めがなくなる。我々は核兵器による核抑止によって、戦争の少ない時代を生きられたが、それがそろそろあやしくなっている。
4.近代の食料の大増産は、1850年ごろ発明された化学肥料によるかなり人工的なもので、人類がこれほどたくさんの食料を手にする権利を持っているわけでない。今はよその国に売るほど作れているから、われわれ日本人はとりあえず食料に困らないけれど、世界の食料需給は思っているよりあやうい。中心ピボット灌漑で、砂漠に円形の畑を作る農業も、化学肥料による地下水汚染で行き詰まりつつあるという話も聞いた。
これだけ三度三度のめしが誰もが食べられるようになったのはごく最近で、それまでは王侯貴族にしか許されなかった。逆に言えば我々はある意味、王侯貴族のような生活ができる、まれな世に生まれたということだ。望めばいつでもおいしいコンビニ弁当を3つ食べることもできる。こんな生活いつまでも続けられると思わない方がいい。少なくともその権利があるとは思ってはいけない。
5.人類は人工知能に支配される。これはシンギュラリティのことを言っているのではない。近い将来AIに人事権、裁判権、各種裁量権が与えられて、これらを持っているAIに人類は逆らえなくなる。ひどい世の中になる。
AIはあなたを問い詰めることができる。恫喝することができる。これらのことはわりに簡単にできるようになるだろう。そしてAIの持っている知識は手がつけられないほど広範で豊富だ。多くのことで、あなたを簡単に論破できるようになるだろう。
あなたの知性が高く、たとえAIを論破できたとしても、「私がルールだ」「それが決まりだ」と受け付けない権限者には太刀打ちできない。以前にも書いたが、わたしはそのことを将棋ソフトで経験している。絶対的に私がコンピューターより強いと優越感を持っていたら、5年でわたしはかなわなくなり、15年で将棋名人に勝つようになった。
6.金属も良い鉱山は掘り尽くしつつあり、残りは海底か効率の悪い鉱山かになり、掘り出すのに莫大なエネルギーが必要になる。核融合が間に合わないと、どうにもならなくなるだろうし、間に合わない可能性は今でも大きい。
(2024/5/9 ケゾえもん 記)
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