2020年コロナで授賞式が中止になったノーベル週間の光の祭典イベントの紹介と、暗くてロマンチックな日常生活について書いた。(1,500文字)
暗くてロマンチックな冬の日々
毎年、ファーストアドベントを迎える11月の終わりの日曜日から、北欧の街や家々は一斉に美しくて幻想的なクリスマスムードで賑わう。日本の人に、寒くて暗いんでしょう?と可哀想がられるとどう答えていいか困ってしまうぐらい、この季節独特のしっとりとした華やぎにはえもいわれぬものがある。
本場のクリスマスムードを満喫できる12月は、「1年でもっともすばらしいとき」“It’s The Most Wonderful Time Of The Year”(アンディ・ウィリアムズ, Andy Williams)と歌われるにふさわしく、ぜひお勧めしたい観光シーズンでもある。
2020年12月17日、本日のストックホルムの日の出は8時40分、日の入りは14時50分。日照時間が短くてホクオがいちばん困るのは朝、真夜中のような暗さの中、スッキリ起きられないこと。
しかし起きてしまえば、朝っぱらからクリスマスキャロルを流して、ろうそくに火を灯す朝食時間はなかなかロマンチックで、乙な日常として気に入っている。午後のおやつタイムにはすでに長い夜が始まり、やっぱりクリスマスキャロルとろうそくの出番だ。
3rd アドベントが過ぎろうそくは3本。燭台は、子供が学校の工作で作ってきた生木。横のマッチ箱には語れば長いスウェーデンのヒストリーがある。
今朝、8時半の朝焼け。
コロナで中止になったノーベル賞授賞式
スウェーデンでは、クリスマスムードになって早々の12月10日の「ノーベルの日」によってさらにお祭りムードが盛り上がる。例年だと世界各国からノーベル賞受賞者たちが団体を率いて集い、王室ファミリーと同席して晩餐会が催される日だが、当日だけでなく、この日を含む1週間は「ノーベル週間」と呼ばれ、人々は浮き足立ってくる。
1901年からの長い歴史を持つこのノーベル賞授賞式の一連の行事も今年はコロナでなかった。戦争を除いては1956年にハンガリー革命の影響で中止されて以来のことだという。
ノーベル週間のすぐあとに控える12月13日のルシア祭も、クリスマスコンサートもミュージカルも今年は軒並み中止だった。(マスクはしていなくても、スウェーデンもコロナ体制である。)
Nobel Weak Lightsの催し
仕方がないとはいえなんだかつまらなくて白けたノーベル週間に、わずかに色をつけてくれたのが、ストックホルムの各地の建物がライトアップされるという催しだった。
以下はノーベル財団のオフィシャルトレーラー(40秒)。
晩餐会も経験したレポーターの詳細ブログ紹介
ブログ「北欧の街角で」の著者は、晩餐会に出席したこともあるぐらいの通だがこの催しの情報を知らないで12月10日ノーベルの日にストックホルム市庁舎に出向いたそうだ。以下のブログに、ライトアップにあっと驚いた経緯や詳しい現場レポートが写真つきで掲載されている。
以下は、同著者がこの日に撮影した市庁舎の映像をまとめたYoutube動画(18分)。「絢爛たる光の饗宴へのご招待」のタイトルにふさわしいゴージャスな雰囲気が漂う力作。4Kの高画質映像に解説は字幕のみでミュージックビデオ風にもなっているので、ノーベルディナーを参考に準備して、ちょっと特別なおうちディナーの演出にもお勧め。ストックホルムの現地に行った気分になれる。