ノルウェーで最大の草ぶき屋根のある宿

 

これ、なーんだ?

答えは屋根。小出しにすると・・・。

ノルウェーの道を車で走っていると、屋根に草の生えた家を見かける。屋根に草が生えてしまうほど風化してしまったボロ屋だと思っていたら、わざわざ植えたものであるという。

上の写真は、タイトルの宿泊施設だが、一般的なのはこのような家。
By Kjetil Bjørnsrud – Own work, CC BY-SA 3.0, Link

草屋根/芝生屋根は、北欧の伝統的スタイル

草屋根とは、緩やかに傾斜した木製の屋根の上に、白樺樹皮を重ね、その上に芝を敷き詰めたもので、19世紀の終わりごろまでは、ノルウェーと、スカンジナビア半島の多くの地域の家ではもっとも一般的だった。

ポイントは白樺樹皮

草屋根という呼び方は、誤解も招きやすいが、この屋根のポイントは白樺樹皮にある。白樺樹皮が防水の役目を果たし、木材の屋根を守る。草の主目的は、この白樺樹皮をくっつけておくというものだ。

隙間風も防ぎ、冬には防寒

草部分によって、隙間風も防がれ、冬には防寒対策にもなる。1平米あたり250キロの重さの草部分は、雪の時期には、400〜500キロにもなる。

経費ゼロだが、施工に人手がかかる

物々交換経済時代に適した、どこにでも生えている草を利用したこの屋根は、経費がかからない一方、多くの人手を要したため、近所の人同士で助け合って作業した。

設置後の手入れも必要

長年放置しておくと、こんなことになってしまう。(以下の写真。ウィキペディアより。)

写真の三本の木は、背景の森ではなく、屋根の上に生えているもの。家を破壊してかけており、危急の処置が必要。

ノルウェー最大の草屋根のある宿、Fjellkysten

北極圏に位置するノルウェーフィヨルド沿岸に、ノルウェー最大の草屋根のある宿泊施設がある。Fjellkysten guesthouse

Fjellkystenのフロント。

場所はここ。

施設全体像。

2017年7月宿泊。宿の食事は朝食も含めてひどいので期待しない方がいいが、各部屋で自炊できるし、絶景は保証付き。

施設のバルコニー。

施設近隣の風景。

 

日本でも草屋根が注目されている!?

草屋根で検索すると、「芝生屋根・草屋根のある家で、エコで快適な環境に!」とうたう、リフォーム会社のサイトが出てきた。

芝屋根、草屋根とは、その名の通り、芝や草を乗せた屋根のことです。
緑化屋根、屋上緑化のことを差すこともあります。
北欧生まれの草屋根は、屋根を草原のようにすることによって、家の中を適温に保つ役割を果たします。
また、紫外線や酸性雨などから家を守るため、屋根の腐食を防ぎ、建物の寿命を延ばすという利点もあわせ持っているのです。
この草屋根が国内で普及すれば、ヒートアイランド現象の緩和になると期待されています。

このサイトによると、芝屋根・草屋根や緑化屋根の、普及を促進する動きが出始めており、地球温暖化や、都市部のヒートアイランド現象などの問題から、これらを改善する屋根緑化の助成金・補助金制度が設けられているそうだ。

「草屋根の会」も見つけた。(草屋根の会のサイトはこちら

おわりに

はじめ、草屋根を見つけたとき、スウェーデン人の同居人は、草屋根は、「羊やヤギに、草を食べさせるところ」だとまことしやかに説明した。屋根から落ちるだろうと言ったら、ヤギの脚力をバカにするなと言われた。ホクオの調査では、こんな情報は見つけられなかったが、真偽のほどはどうなのだろうか。

※参考文献
https://en.wikipedia.org/wiki/Sod_roof(英語)

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