【映画寄稿】当時感動した「ベン・ハー」につっこみを入れる1(ケゾえもん)

ケゾえもんイメージキャラクター

(文=ケゾえもん)

本題の前にコロナについてもひとこと・・・

日本感染症学会は8日、シンポジウムを開催したそうだ。それによれば、変異株は従来株より感染力が強い全く別のウイルスと考えていい、感染力は、従来株の1.5倍と分析したそうな。しかしね「全く別のウイルス」という言葉の定義がはっきりしないし、1.5倍の根拠も我々には示されていないし、専門家がこれまで我々にデマ(2割重症、42万人死ぬ、クラスター追えば防げる、患者が膨大だから医療崩壊、緊急事態宣言は効果絶大、イギリス株の感染力は1.7倍その他)を言い続けてきた経緯から容易にこれ鵜呑みにはできない

だって全く別のウイルスと言っておきながら「ワクチンが十分行き渡るまでは強力な対策を取らざるを得ない」って言ってるんだよ。全く別のウイルスならワクチン効くわけないじゃないか、矛盾してないか。

ただし、ワクチンのことや、言うことを効かなくなった国民(飲食店酒を提供しても批判を受けない)のこと、専門家によってぜんぜん違う変異株の性質などからコロナについては少し様子見を決め込もうと思っている。いつまで様子見かと言えば、いよいよ1日100万人高齢者への接種が始まるそうで、(私は高齢者へのワクチン接種は大賛成である)(ただし私はしない)3,000万人の高齢者にワクチンがいきわたり、その効果を見極めるまで様子見かもしれない。

「ベン・ハー!」

友人が1959年の映画「ベン・ハー」を最近見たと言っていたのだが、NHK BSでたまたま放送されたので、懐かしくて流し見をした。ウィリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演でアカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞をはじめ11部門のオスカーを受賞した作品だ。

ネタバレ嫌な人はここで読むのをやめること。

つじむつし
洋画劇場で昔よくやってたな、チャリオットレースのやつ。それ以外、覚えてないわ。今日は、同じチャールトンヘストン主演の猿の惑星みて寝落ちしたわ。
不動A
お母さん思いのベンハーな。

時は紀元ゼロ年ころ、ユダヤ人の名家ハー家の長のベンハーは幼馴染のメッサラの策略により奴隷の身分に落とされる。ベンハーは奴隷船に送られる行進の途中、喉の渇きで死にそうになった時、当時布教活動をしていたイエス・キリストに水をもらうことにより生きながらえることができた。ローマの将軍を救ったことから奴隷の身分から這い上がったベンハーは復讐のため帰ってきた。そして馬車競争競技会でメッサラと戦うことになる。馬車競争に勝ったベンハーは栄光を手にするが牢屋に入れられていた母と妹はらい病になり、らい患者の居留地にいることを知り絶望する。
病気を治す奇跡を起こしているイエス・キリストという人を頼ろうと母と重態の妹を連れ出したベンハーはしかしイエスが死刑を宣告され処刑地ゴルゴダの丘に向かったことを知る。(史実)十字架を背をわされたイエスの行軍を見たベンハーは消耗するイエスを見て、それが自分を救ってくれた人だと知る。ベンハーはローマ兵にこづかれるのもものともせずイエスに水を与えることに成功するのだった。しかしイエスは結局処刑されすべての望みはなくなったかに見えた。しかしイエスが十字架上で息を引き取ったときに広範囲に嵐とカミナリがまき起こり、同時にベンハーの母と妹にも奇跡が起こった。病気が完全に治癒したのだった。帰宅した母と妹を見たベンハーは深く神に感謝をささげるのだった。

古い映画だけど、ハリウッド黄金時代の映画でCGのない時代に大群衆の競技場で馬車競争が繰り広げられる様を見事に見せていて、これはすごいとしか言いようがない。若い時にこの映画をみた私は無批判にこの映画に感動したのだけれど、今見るといろいろ言いたいことが出て来てしまっている。

馬車競争は4頭立ての10台程度の馬車により行われて、一周は約400メーター(私の推定)のオーバルコースによって行われて、こういうレースがローマ時代に実際に行われたのかどうか知らないがむしろヒントはインディ500なのではないかと思われる。馬車競争の最中に破壊された馬車を次の周回で馬車群がやって来る前に機動的に片づけるのであるが、ローマの馬車競争を誰も見たものはいないわけで、これは自動車レースのマーシャルたちの活躍がヒントになっているのではないかと考えられる。それではらはらさせるためにマーシャルたちが力づくで馬車を片づけるのを少しもたもたさせたりするのだけれど、これはむしろクレーンとか台車とかを駆使させてもっと見事に片づける様子を見せた方がおもしろかったのにと私は思う。

映画では10周して先にゴールしたものが勝ちというルールのようであるのだけれど、全力疾走の馬がはたして持つのかどうか?持つとしてもメッサラのように最初からムチを使ってずっと先頭をキープするのが得策かどうか疑問を持つところだ。

私は黒澤明の映画の信奉者で、黒澤の映画のシナリオのすごいところは見ているものに突っ込みを入れさせる隙を与えないところだ。そのためには本当に熟慮して台本を作る必要がある。それでちょっとベンハーについていろいろ突っ込ませて欲しい。喜劇ならまだ良いがこういう文芸大作だと突っ込みどころがあるととかく白けるものだ。
(続く)

(2021/5/9 ケゾえもん 記)



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