NHK「100歳から始まる人生」の103歳スウェーデン人ブロガー、105歳を迎える

「こんな老人になりたい」シリーズ第1回目は、スウェーデンの最高齢ブロガー、ダグニー・カールソン(Dagny Carlsson)、2017年7月現在105歳のおばあちゃん。最近、NHKのBSドキュメンタリーで放映されたそうで、仕事関係のお客さんに「めっちゃ素敵なおばあちゃんだった!」と教えてもらった。
 

NHK「BS世界のドキュメンタリー」の放送

日本では2017年6月末と、再放送がその1週間後に放送されたこの番組は、スウェーデンのテレビ局が2015年に制作して放送したもので、内容は以下のとおり。

世界最高齢のブロガー、スウェーデンのダグニーさん。100歳でパソコンを購入したことをきっかけに一躍有名人となったダグニーの、刺激に満ちた日々に密着する。

「90歳で夫を亡くして、私の人生は終わったと思っていたのに」と語るダグニーさんは現在103歳。100歳でパソコンを始め、日々の出来事や過去の思い出をつづったところ、そのブログが一躍人気に。フォロワーは50万を越え、時の人になったダグニーの暮らしは一変。TV番組に出演したり、セレブと同席したり、村の最高齢DJとの淡い恋も…。人生何歳になっても可能性に満ちていることを教えてくれるドキュメンタリー。

原題:Life begins at 100
制作:SVT(スウェーデン 2015年)
初回放送:2017年6月29日(木)午前0時00分~
再放送:2017年7月6日(木)午後5時00分~
NHKウェブサイトより)

スウェーデン語で観たので、残念ながら内容ははっきりわからなかったが、「めっちゃ素敵なおばあちゃん」だった。(もう少し早く確認していれば、日本語字幕つきで録画しておいてもらうんだったのに1日遅かった。)

アパート(日本でいうマンション)住まいで子供なし。お菓子を作ったり、踏み台に上って電気のカサを掃除したり、ごく普通の独身女性の暮らし。颯爽とした歩き方がまったく年齢を感じさせない。90歳の妹の誕生日に、プレゼントのパソコン持参で妹宅を訪問し、二人で顔を寄せ合って、姉が妹にパソコンの使い方を教えていた様子は微笑ましかったが、ダグニーは、老人パソコン教室の先生までやっているのだから驚く。

写真:103歳の先生と80代の生徒たち。赤いカーディガンを着て立っているのがダグニー。

「年を取るのも悪くない」という表現もどこかにあったが、ダグニーのそれまでの人生は、親の愛に恵まれなかったり、最初の夫はアルコール依存症でDVがあったりと傷つき体験も多かったようで、性格も内向的だったそうだ。そんなダグニーが、年を取ってこんなパワフルなおばあちゃんになって、毎日、大忙し・・・。

※スウェーデン語のオリジナル番組(59分)はこちらで視聴可能。NHKの放送を見逃した方も、映像を観るだけでもお勧め。紹介した人から「すごい! 力をもらった。」のコメントあり。

 

村の最高齢DJとの淡い恋!?

NHKの内容紹介で気になる「村の最高齢DJとの淡い恋」の部分は、こうだった。

昔から音楽とダンスが好きだったのに、夫が亡くなってから全然踊っていない。誰か一緒にダンスしてくれる人いないかしら? そして出会った80いくつのこの男性。

連絡先を聞いて・・・。

自宅に招いて一緒にダンス!(やや、テレビ局のやらせ感もあったが、それを差し引いてもイイ感じ。)

2017年現在105歳

2017年5月8日、ダグニーは105歳の誕生日を迎えた。以下、各誌で取り上げられたニュースの抜粋。

シャンペンとリムジンで105歳の誕生日を祝う

www.expressen.seの見出し。


写真:「シャンペンが好きなの。今日は、たくさん飲んだわよ〜。」


写真:「ダグニー105歳」と車体にペイントされたリムジン

おめでとう、ダグニー・カールソン ━ スウェーデンでもっともクールな105歳

Aftonbladet.seの見出し。

 

105歳の心境と長寿の秘訣

以下、上述のExpressen内、インタビューの内容の抜粋。

インタビュアー:「105歳になることを想像してましたか?」

ダグニー:「いいえ。想像もしませんでした。ふつう、人間はこんなに長生きしないものですからね。長生きしていたとしても、たいていボケていたりして、105歳の誕生日を楽しく祝えるなんてことはないでしょう。」

インタビュアー:「これからの目標が何かありますか?」

ダグニー:「そうですね、106歳を迎えることでしょうか。今まで通りに暮らしていけたらと思います。きちんと食べて、できるだけ歩くようにしたいですね。自然の近くに住んでいますので、よく水辺の公園まで行くんです。パンが余っている時は、カモたちにやったりしてますよ。」

104歳の時に話した長寿の秘訣は以下だった。

1. 長い散歩をすること。(Gå långa promenader.)

2. 愚痴を言わないこと。(Gnäll inte.)

3. 後悔しないこと。(Ångra dig inte.)

4. 人にやさしくすること。(Var snäll mot andra.)

これに加え、ご本人の弁にはなかったようだが、「ユーモアを忘れないこと」も、ハッピー長寿の秘訣だと思う。

たとえばダグニーは、ブログ内で自分の写真を面白く編集するのが好きで、こんな写真も、自作なのだ。

ダグニーのスウェーデン語のブログも、そのうち紹介してみたい。お楽しみに!


写真内のスウェーデン語は、ダグニーの言葉、「人は、好奇心をなくした時に老い始める。」

(その他のスウェーデン語の参考サイトlajkat.se

ストックホルムで同性愛週間用に特別の信号機の図柄前のページ

スウェーデンの1コマ漫画「どうせアタシなんて」次のページ

関連記事

  1. スウェーデン、ストックホルム

    ブラッドムーン(皆既月食)と夏の終わり

     天体ニュースは(も)チェックしていないので、ストックホルムで…

  2. 人間ウォッチング

    Wd-laboのOtsuka氏

     “Wd-Labo”ディレクターのOtsuka氏は、仕事用のサ…

  3. スウェーデン、ストックホルム

    先史時代3千年前のスウェーデンの墓の上を歩く

    自然保護地区を歩いていて3,000年前の墓に遭遇し、太古に思いを馳せ…

最近の記事

人気記事

  1. 骨折したときは腕を吊らないでください(スウェーデン医療)
  2. 【ケゾえもんコロナ寄稿】2020-2023 コロナ専門家たち…
  3. スウェーデンのゆるいコロナ対策は失敗か?死亡率グラフで一目瞭…
  4. 【コロナ寄稿】明けないコロナの夜明け:コロナの終戦はいつ?(…
  5. スウェーデンでタコパ:こだわりタコ・ラブラブわんこ・およげた…
  6. 報道ステーションでスウェーデン:日本人はなぜコロナをそんなに…
  7. 小林よしのり「ゴーマニズム宣言コロナ論」とケゾえもんコロナ映…
  8. 「スウェーデン方式の真相」と老人のコロナ死を自然死だと言えな…
  9. 不朽の名作映画「ニューシネマパラダイス」
  10. 流行の北欧ぬりえ作家ハンナ・カールソン、自分の両腕にもぬりえ…
  1. コロナ

    【コロナ寄稿】尾身茂に煽られるな。感染爆発でも危機的状況でもないはずだ。(ケゾえ…
  2. ケゾえもん

    人類は核融合炉が実用化されないとピンチになる(ケゾえもん)
  3. コロナ

    再ロックダウンのカリフォルニア、コロナ風刺画で学ぶアメリカ:トランプ政権のベッツ…
  4. 文化、音楽、本

    Uptown Funk:Youtube再生回数24億回超のヒット曲
  5. コロナ

    【映画寄稿】当時感動した「ベン・ハー」につっこみを入れる1(ケゾえもん)
PAGE TOP