型破りの新ビジネスリーダー、中田俊行氏

最終更新日2017年6月25日:「中田俊行」ご本人による、この記事の紹介内容を文末に追記。

株式会社デザインプラスの社長のことは、いつか書きたいと思って前から目をつけていた。新しいタイプのビジネスリーダーの匂いがして、興味をそそられる人物である。

勝手に持っているイメージでは、ホリエモンカテゴリーに入る「中田俊行」。ベンチャービジネスの寵児らしい、強気で、傲慢とも取られそうな発言をバンバンするのだが、その満々な自信が、実力と努力に裏付けられていることも同時に伝わってくるので、ヘンに腰を低くしないところにかえって好感が持てる。

以下、「中田俊行」大研究レポート。
 

はじめに

ネットで買い物をすると、購入店から、申し込んでもないのに「お知らせ(広告)」メールが届くようになるのはよくあることだが、その広告メールが即ゴミ箱行きになるのを防ぐために、冒頭に少しでも親近感のわくような挨拶文を入れてみたり、メルマガ風にして、目を通してもらえるようにしたりと工夫する店も増えてきた。

そんな店側の努力と一手間(ひとてま)によって、一方的に送られてくるメールを「講読解除」することもなく、その店の名前をしばしば目にしているうちに、次の注文をする機会も自然にやってきたりするのだが、そうは言っても、その手のメルマガの中で本当に面白くてわざわざ読みたくなるようなものは少ない。

そんな中で、ダントツに面白いのが「中田俊行 」から来るメールなのだった。

2016年2月、仕事用のサイトをリニューアルするためにワードプレスの有料テーマの
LAW (TCD031)を買って以来、届くようになった「中田俊行」からのメールの特徴を分析してみたい。

「中田俊行」のメルマガの特徴

1)メールの数が半端ではない。

毎日来るし、一日に複数来ることだってある。

これほどの頻度で、申し込んでもいないメールが来るようになったら、普通はうざくて、すぐに講読解除ボタンを探すところなのに(例えば、楽天市場。うっかりチェックを外し忘れて買い物をしてしまうと、大変なことになる。)これだけ大量に配信されてくるメールの中に、読みごたえのある内容がかなりの割合であるのだから、ツワモノだと思わされる。

2)メールの内容がバラバラ。

店から送られてくるメルマガには、たいてい、各店、毎回決まった「フォーム」があるものだ。例えば、季節の挨拶から始まって、店長の近況が語られた後、それとなく(あるいは強引に)おすすめの商品の紹介に入り、今ならこんな特典がついてるから急いで買ってくれと言う流れ。

しかし、「中田俊行」からのメールには、決まった型がない。もちろん宣伝メールもあるが、読者にとって役に立つような、直接的には広告にならないような情報も多いし、かと思えば人生について語られていたり、「今、ちょっと一言、つぶやきたい、ただそれだけ。」という内容のツィッター的メールもある。

さらに、最初はかなり面食らったこんなバージョンのメールまである。

3)差し出し人は「中田俊行」のままで、他人の怪しい広告を発信する。

他人の広告を発信する時には、「中田俊行 」からのメールにもフォーマットがある。
まず、タイトルに【号外】マークが付いている。

たとえば、最近だと「【号外】怪しい情報でボロ儲けしませんか?」というのがあった。(2017年4月27日づけ)

前置きフォーマットはこれ。

中田です。お世話になります。
いつもご購読、心より感謝いたします。

※本日は○◯様からのお知らせです。
内容に関するお問い合わせは○○様にお願いします。

そのあといきなり、広告主からの広告が続く。
たとえばこの例なら、

※本日は 酒井 健一 様からのお知らせです。
内容に関するお問い合わせは 酒井 健一 様にお願いします。

正直、怪しいです。
でも、めちゃくちゃ儲かります。

初めまして
酒井健一(さかい けんいち)と言います。

怪しい情報のお届けです。

「怪しくないです!信じてください!」なんて言うのは無駄だとわかったので
「怪しい方法」だと胸を張ることにしました。・・・

と、さかいけんいちの「初めまして」があえて初めに来ないため、一瞬「正直、怪しいです。でも、めちゃくちゃ儲かります。」の話者は、「中田俊行」かと思ってしまうような作りになっている。「中田俊行」は、そんな大きなイメージダウンのリスクをものともしない。

後書きフォーマットには、こう書かれている。

広告については、一定の審査は行っておりますが、
当社が内容や効果を推奨・保証するものではございませんので、十分ご考慮の上、お手続きをお願いいたします。

どんなに怪しくても「一定の審査を通過している」と言ってのけるので、ああ、そうですかとしか言えない。

後書きフォーマットのテンプレートには、こうも書かれている。

【190,000部のメルマガに広告を掲載できます】
http://design-plus.info/advertise/

上をクリックすると、この「独占広告」を「中田俊行」の名前で1回発信すると、128,000円(土日祝)円または158,000円(平日)かかることがわかる。

「中田俊行」は、何も隠さず堂々としている。
そして、真面目にこう言う。

精読率の高い読者を意識して集めています。読者の質と発行部数からして 非常にお得なメルマガ広告となっています。

ホクオもしっかり「精読」している。毎日、目にしている「中田俊行」からのメールだから、つい、読んでしまうのだ。見知らぬ「酒井健一」が差出人だと、スパム扱い間違いない。「独占」広告というだけあって、この「号外」は1日ひとつと限定もされているし、確かに「非常にお得」かもしれない。

下記スケジュール表に「号外広告」の記載がある日程は予約済みです。

を見ると、2017年5月には9件の「号外」が出され、これだけでデザインプラスはざっと140万円もの収益を得ており、そこにかかっている経費はゼロ。

広告主が喜び、デザインプラスは潤い、メルマガ読者には特に害もない。何の問題もない、ウィンウィン(Win-Win)と言える。

4)メルマガで求人だってやる。

この「内容はバラバラ、何でもあり。」のメルマガから、2017年4月29日、求人広告が発信された時、来たーっと思った。

こういう自由な会社で働いて欲しい人の顔が浮かび、すぐに内容を確認。19万部のメルマガに求人広告を載せて、それにかかる経費ゼロ。おそらく申し込みも殺到して、優秀な人材を確保できるにちがいない。

5)ついでにブログも始める。

2017年5月10日のメルマガで、「中田俊行 」は、ブログを「ひそかに開始した」ことを発表した。

まだやるのかとそのエネルギーに感心する。

「中田俊行」のブログは、デザインプラスの求人サイト内のブログという位置づけになっていて、メルマガで発信された内容がまとめられている。起業家「中田俊行」の熱い思いや考え方がひしひしと伝わってくる。

決していい子ぶらず、ここでも「ラクに仕事して何が悪い!」などと血気盛んに言い放っている。

終わりに:「中田俊行」の素顔

ここまでずっと、「中田俊行」とカッコつきで書いてきたのも、上述の通りの怪しさもあるため、「中田俊行」が本名なのかさえ定かでなかったからである。

株式会社の代表取締役として名前が出ているので、本名なのだろうが、主義主張ははっきりしていてよくわかる反面、姿かたちは検索しても見つからない。どうも「中田俊行」は、目立ちたがり屋でなさそうだ。

会社サイトのプロフィールに書かれているのは、1982年大阪市吹田市生まれということだけ。

2017年現在、35歳の若さと知って、行け行けドンドンな勢いに納得する。まだミッドライフクライシスも人生の哀愁も知らないのだろう。

そんな詮索をしている中、意外なところでひょっこり「中田俊行」の名前を見つけた。

無料の写真素材を配布しているデザインプラスの姉妹サイト、フォトマルシェでこのブログ用にダウンロードした写真が、”中田俊行氏”が伊勢神宮で撮影したものだったのだ。

「日本語検定」のページのイメージに合うような、和風で地味な写真を探していて見つけた鯉の写真である。

このサイトで、いちカメラマンとしての中田俊行氏がプロフィールのページに書いているコメントは、たんに「ですます調」のせいなのか、メルマガでおなじみの強気なイメージとはかなり違って低姿勢。

同じページに「弊社がインタビューされた時の記事もありますので、そちらもどうぞ。」とあったので、ついに「中田俊行」の顔を拝める機会到来!と期待しながらクリックしてみたら、従業員の顔だけ載っていて、社長はコメント止まりでがっかりだった。

http://goryugo.com/20160129/wordpress_tcd/

実際の中田俊行氏の素顔が、「嫌われる勇気」のかたまりのホリエモン風なのか、はたまた、表に出るのが嫌いでシャイな「元おタク」系なのか、そのうち、世間に公表される日が来るのを楽しみにしている。
(2017年5月31日、記)

追記:「中田俊行」のメルマガにこの記事が・・・

”内容はバラバラ、何でもあり。”の「中田俊行 」からのメルマガ、2017年6月19日付けのタイトルが「ネット上でネタにされました。」で、当記事について書かれていて仰天した。以下が”19万部”配信されたということなのだろうか!?

こんにちは。中田です。
いつもありがとうございます。

■ネット上でネタにされました。

今朝、チャットでスタッフから教えてもらったこの記事。

・型破りの新ビジネスリーダー、中田俊行氏 | 北欧Now!
https://hokuonow.com/2017/06/01/toshiyuki_nakata/

パッと見でTCDテーマの「MAG」を使ってくれていて、
ロゴやアイキャッチのセンスも素敵やん、と思ってたら、
私をオモチャにした記事でした。笑

しかも、内容もほぼ当たっていて、おもしろい。

なので、今回は記事の中で
気になったところをピックアップしてみました。

・メールの内容がバラバラ。

耳が痛いです。笑
最初はマーケティングの話を頑張って書いてましたが、
今は自分の興味あることばかり書いてますね。
ただ、これも長続きする秘訣だったりします。

・メルマガで求人だってやる。

これは絶対やった方がいいと思うんですね。
おすすめです。

・中田俊行氏の素顔が、「嫌われる勇気」のかたまり

なるべく誰かを傷つけたくないと考えてますが、
ここを意識しすぎるとこれまた何も書けなくなります。
そのあたりの調整作業は10年間やってきてることですね。
メルマガのスタンスはずっと変わっていませんが、
「嫌われる勇気」は私自身共感した本です。

以上です。ホクオさん、
楽しい記事を書いてくださり、ありがとうございました!

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