コロナ

トランプを挑発するスウェーデンの新型コロナウィルス戦略(おまけ:ミニ米文化講座)

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地続きの近隣諸国が都市封鎖をしているのにも関わらず、スウェーデンはそれに倣わないまま現在に至っている。このスウェーデンの新型コロナウィルスに対する異例の対応策をめぐってさまざまな意見が飛び交っている中で、もしスウェーデンがこのままロックダウン(都市封鎖)しないですんだら、都市封鎖している他の国々の面目がつぶれるというものがある。都市封鎖している国々が、ひそかにスウェーデンにバチが当たるのを待っていたとしても無理はない。トランプ大統領は、それをはっきり口に出した。

以下、2020年4月8日付のワシントンポスト「新型コロナウィルス最新ニュース」より、「スウェーデン、新型コロナウィルス戦略でトランプに挑む」(“Sweden hits back at Trump over coronavirus strategy”)の全文拙訳。

2020年4月8日付ワシントンポスト

2020年4月7日の記者会見で、トランプ大統領は、アメリカの社会的距離戦略(social distancing, 人々間の物理的距離を保つこと)を称賛し、厳しい措置を取っていないスウェーデンは、集団免疫を狙ったあげくにそのツケが回ってくるであろう(“is suffering” greatly after…)と発言した。

スウェーデンの外務大臣アン・リンデ(Ann Linde)は、翌日4月8日にトランプのこの発言を退け、スウェーデンが集団免疫を目指しているという見方は間違っていると語った。

他のヨーロッパ諸国がロックダウン(都市封鎖)を行っている一方で、スウェーデンはそれに従っていない。最近になって50人以上の集まりは禁止されるようになったし、老人との接触を避けることも勧められているものの、店も学校も閉じられておらず、住民は自由に出かけることができる。

しかしリンデは、政府が強制力を行使しなくても結果は同じであると言う。「やり方こそ違えど、我々も他の国々がやっていることとだいたい同じことをやっている。ロックダウンはしていないが、人々は自己責任のもとに自粛行動している。」と。

しかし、実際に人々が自粛しているかというとなんとも言えないところである。さわやかな4月のある日、ストックホルムの中心広場は賑やかだった。

(Andres Kudacki/AP)

写真:4月8日のストックホルム。政府は新型コロナウィルスを鑑み、社会的距離を保つこと(social distancing)を呼びかけてはいるが、他のヨーロッパ諸国やアメリカとは違って、個人の自由行動を認めている。

現在までにスウェーデンでは8,400人の感染者と680人の死亡者が確認されている。スウェーデンの歴史学者のラース・トラガルド(Lars Tragardh)は、スウェーデンと他国のアプローチの違いは主に文化差によると言う。「我々は、健康への懸念と施設や経済への配慮のバランスを考えている。我々が、人々が死んでいくのを気にしないわけではない。しかし学校を閉鎖して、子供たちの教育の機会を奪うことにはなんのメリットもない。」

■出典:2020年4月8日付ワシントンポスト「新型コロナウィルス最新ニュース」内の該当記事。文中の写真の出典も同じ。

2020年4月11日スウェーデン・ラジオ放送

上述のトランプ大統領の発言は、スウェーデン・ラジオ(Sveriges Radio: スウェーデン公共ラジオ/スウェーデン放送)でも紹介された。以下、スウェーデン公共ラジオのウェブサイトの番組紹介の拙訳。

アメリカのトランプ大統領は、スウェーデンの新型コロナウィルス対策について聞かれ、間違ったやり方だと即答した。

トランプは、もしアメリカがスウェーデンと同じやり方をすれば、もっと多くのアメリカ人が新型コロナウィルスのために命を落としただろうと言い、危機的状況の中でも経済活動を守ろうとするスウェーデンのやり方を支持する評論家たちに反対し、スウェーデンは悪しき見本であるとした。

アメリカ経済は新型コロナウィルスに大打撃を受け、過去3週間の失業保険の申請者数は1700万に及んでいる。

出典:https://sverigesradio.se/sida/artikel.aspx?programid=2054&artikel=7450625
(ここで44分の英語放送も聞くことができる。)

ホクオのコロナ・ナウ

上の写真は、イースター休暇中の2020年4月9日、ストックホルム郊外にある大型ショッピングモールの駐車場。イースターフライデー(クリスマスイブに匹敵する、数日間の休暇中いちばん大事な日で、みんなで集まって祝う習慣がある。)の前日らしい賑やかさ。自粛ムードはあってない。という表現がいちばんふさわしいかと思う。

イースターサンデー(イースター当日)の今日2020年4月12日は、ホクオも一家で招かれ、素晴らしいイースターの飾り付けがされたお宅で楽しい社交の時間を過ごした。

おまけ:口語英語とアメリカ文化ミニ講座(ブラバーヘッドとバブルヘッド)

このワシントンポストの記事はアメリカ人の友人が送ってくれたものだが、メールのタイトルが”Blabber head VS 🇸🇪”(🇸🇪はスウェーデン国旗の絵文字)だった。トランプを揶揄するBlabber headは「ベラベラ頭」とでも訳せばいいのだろうか。意味のないことをベラベラ喋ることを、blah blah blah(ブラーブラーブラー)と表現することから来ているようだ。

おかげで新しい英単語を覚えた!と友人に返信したら、じゃあbobbleheadは知ってるかと次の記事が送られてきた。

バブルヘッドは、首と胴体がバネでつながっていて頭がブルブル揺れるフィギュア。

写真:ドイツのバブルヘッドわんちゃん(英語版Wikipediaより)

たとえば新聞のクロスワードパズルにもこんな風に「バブルヘッド」が出てくる。(8の横の問題:「bobbleheadがよくやることって?」こたえはbob、ぴょこんとおじぎすること。)

友人から送られてきたバブルヘッド記事によると、今、アメリカでいちばん売れているバブルヘッドは、コロナの第一人者である、医師で免疫学者のアンソニー・ファウチ(Anthony S. Fauci)のフィギュア。売り上げ金の一部が、医療従事者のマスク購入に使われるキャンペーンで、国立バブルヘッド博物館が売り出して1週間以内に2万体の予約が殺到した。一体25ドルと結構な値段だが、友人も二体注文したそうだ。

ファウチ博士は1940年生まれの79歳。社会に貢献し続ける高齢者も珍しくなくなってきた。(好きで働いている人はいいが、我々はいつまで働かされるのだろうか。。。)

バブルヘッドのこの記事に関心のある方は、以下のニューヨークポストをご覧ください。
https://nypost.com/2020/04/08/anthony-fauci-bobblehead-raises-100k-to-buy-coronavirus-masks/

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