
「神は存在するか? その8」
(ケゾえもん 2023.5.31. 記)
連載その7がわかり難いとまたまた文句を言われた。
それは私のせいではなく、二十世紀に入ってからの物理学上の発見でいろいろややこしいことになっているのがいけないのだ。あのアインシュタインからしてこれらの発見に最初は目を白黒させてそんなわけがないと大変な抵抗を示した。
(カバー写真は宇宙膨張を発見したエドゥイン・ハッブルとアインシュタイン。アインシュタインは宇宙は昔から同じ宇宙で変動している筈がないと最初抵抗した。アインシュタインは時間と空間は伸び縮みするというSFみたいな理論を打ち立てておきながら、すべてに極めて保守的だった。)
1.素粒子は粒子であり波動であり二面性を持っている。
2.不確定性原理により素粒子の運動量と位置は同時に正確に測定できない。
3.エネルギーとは連続したものでなく飛び飛びのものである。
なんてことがわかってきて、もうもうわかり難いのだ。しかもそれら発見はすべて方程式で記述されたもので、それを言葉に直すと1から3のようになるというだけのことで、もともと言葉に直すのに無理がある事柄なので、言葉になおさない方が良いと思うくらいのことなのだ。
(そうは言っても言葉に直してもらわないと、われわれにはそんな事実があることがわからない。)
それでたとえば水素原子を考えてみると、陽子がひとつあってそのまわりを電子が回っている。この地球と月みたいな関係で言うのがボーアモデルというのだけどこれは間違いだと言うことがわかっている。
ではどうなっているかと言うと、上記のようないろいろな発見を踏まえてシュレディンガー方程式というものに従って水素原子の電子は存在することがわかった。その方程式が言ってることをことばに直すと
1.電子は陽子のまわりに、ある確率で存在する。
2.電子が存在する可能性がある位置に制限はない。
つまり、火星に水素原子が1個あるとして、その電子は水素原子核(つまり陽子)から1ミリの位置にいるかもしれないし、もしかするとあなたの家の中にいるかもしれない。方程式を言葉になおすとこんなおかしいことになってしまう。
だから言葉になんか直さない方が本当は良いのだ。ちなみに陽子から1ミリの位置にいる確率もあなたの家の中にいる確率もゼロではないがほとんどゼロに等しいと方程式では出てくるので安心して欲しい。
では電子はどこにいるかと言うと、陽子のすぐそばにいるんであって、そのいる場所の確率が計算できるので、たとえば90%の確率でいる場所をたくさん計算で出して計算結果を陽子のまわりにプロットするとぼんやりとした雲のようになる。これを電子雲と名付けた。しかしそれは上記の計算で出た雲であって、雲が実際に存在するわけでない。
ところが化学の先生は「しめたこれで実体のあるものとして取り扱える」と考えた。それでシュレディンガー方程式で計算した各原子の電子雲を丸暗記させることを学生に要求して「酸素原子のこれこれの電子雲の中にはいくつ電子が入っているでしょう?」とか「鉄原子の一番外側の電子雲には何個電子が入っているでしょう?従って鉄原子の価電子は?」というような問題を出したがってしょうがない。
まるで電子雲が実際にあるもののように(またはそう誤解するように)教えるのは間違っていると言いたかったわけだ。
おっとなかなか本題に入っていけない。ウラン原子のつぶつぶ状態はは気持ち悪いという話だった。
(続く)
ケゾえもん 記


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