※タイトルの写真は、ノルウェーの真夜中の太陽(Midnight Sun)。
スウェーデンが白夜の国と言ったが、スウェーデンは南北に長く、ホクオの住むストックホルムは、南よりの北緯59度に位置する(日本の最北端は、北海道の択捉島で、北緯46度)ので、完全な白夜にはならない。真夜中の一番暗い時間も、肉眼では薄らぼんやり明るいので「おお、これが白夜か!」とは思えるが、しろうとの携帯カメラには映らないぐらいには暗い。
(ついでにスウェーデンは、意外と大きく、日本の面積に比べると、北海道を足した分ぐらい大きい。)
以下は、2017年7月、初めて、完全に一晩中明るい白夜を体験した興奮実況レポート。
白夜を体験した場所
初めて白夜を体験した場所は、地図でいうとここ。
下の印がストックホルム(北緯59度)で、上の、国境を超えてすぐの印が、ノルウェーのナルビック(Narvik、北緯68度)。
北極圏(英: Arctic Region)の定義に当てはまる、「北緯66度33分以北の地域」である。
ナルビックの7月の日照時間は以下の通りで、「日の出」「日の入り」時間の代わりに”Up all day”とある。「太陽が一日中アップ」なんて、ウキウキな響きだ!
ストックホルムと比べてみると、下のようになっている。
これを書いている7月24日で比較すると、太陽が出ている時間が、ストックホルムが24時間中の17時間に対してナルビックは21時間。日照時間が21時間の場合、肉眼には、暗い時間は、まったくない。
ノルウェー白夜アルバム
以下、ノルウェーのナルビックの高層ホテルの窓から、街並みと海を撮影したもの。スウェーデンには山がないので、ノルウェーの山々が珍しい。ところどころに雪が残っている。
7月20日夜11時過ぎのナルビック
7月21日深夜1時過ぎのナルビック
7月21日朝、8時過ぎのナルビック
太陽の光が強すぎて、同じ角度での撮影は無理だった。
7月24日深夜2時過ぎのロフォーテン諸島
現在、フィヨルド海岸(上の地図の左の端の印、ロフォーテン、北緯67度の位置)にいるが、絵葉書のような景色がずっと見えるままなので、寝るのがもったいなくて、ずっと起きていたが、ずっと明るかった。
白夜カレンダー
北欧の夏は、「美しいが短い」とよく言われる。
「日の出、日の入りの時間なし、太陽は”Up all day”」なんていう期間も、短いのだろうという印象があったが、そうでもない。
ナルビックの7月の日照時間カレンダーは、上の通りで、19日間、太陽が全く沈まない。
そんな完全白夜がいつから始まるのかとさかのぼってみると、6月はこの通り、見事に丸1ヶ月間、太陽が沈まない。
5月だって、1日のメーデーから、朝は4時前に日が上り、日が沈むのは夜10時、日照時間は18時間と、すでにかなり長い。
スウェーデンのベストシーズンは? 行くならいつがいいの?と聞かれるたびに、感覚的に「5月から10月なら、いつでもいいい季節。(運悪く悪天候に当たらなければ。)」と答えていたが、その感覚は、日照時間に裏付けられているものだったということがわかった。
結論。北欧といえば、「寒くて暗くて長い冬」。しかし、北欧の爽やかで明るい夏は、冬と同じだけ長い。
そして、太陽の沈まない白夜の一方には、太陽の昇らない「極夜」もあるのだから、光と影の明暗がはっきりしていることこの上ない。