「ねえねえ、この映画知ってる?」というコンセプトでケゾえもんが紹介する映画集。「聞いたことあるけど、観てないな。」というものから「ふーん、そんなのあるんだ。」までの4本。
(2021/6/27 文=ケゾえもん)
友人が映画「ショーンシャンクの空に」を見てすごくよかったと言っていたが、いまさらこの映画を発見したと言われても遅いよと言いたくなる。
しかし、超おもしろい映画というものは知らずにいて実はたくさんあるもので、こういうのはやはり友人にお勧めしてもらうのが良い。
私がお勧めするとどういうのがあるかなと考えてみた。もちろんもう見てる人はいまさらと思うだろうから、あらためて紹介するのもなんなんであるが見てないとすると損だと思うからちょっと列挙してみよう。
プラダを着た悪魔
アン・ハサウェイがつぎつぎに取り換えて着る高級ファッションがすごかった。メルリ・ストリープのぶっとび上司キャラもこのうえなくおもしろい。しかし、この映画古くなってしまって、したがってあれほど目が覚める様だったファッションも残念ながら古くなってしまっている。ファッションというのはきびしいものだ。
ネットフリックスで見られるのだが「エミリーパリに行く」というドラマを知っているだろうか?アメリカ娘のエミリーがアクシデントでパリに赴任することになり大活躍というストーリーなんだけど、このエミリーがしれっと着る高級ファッションの数々がすごい。シュールなのが、それが普段着だとという設定で誰もファッションを褒めない。プラダ悪魔ではアン・ハサウェイがすばらしいの着てくると口では言わないけれどメルリ・ストリープがなかなかやるわねという顔をしたりするけど、エミリーインパリスでは普段着という設定。しかしおいどこにそんな金があるんだと言いたくなる
グランド・イリュージョン
手品師の団体が金庫破りをするっていうストーリーだと聞いて、まったく興味がわかなかったのだけど、見たらものすごおもしろい。ただし続編、続々編はいただけない。なんでこういう脚本にするかね。すばらしい第1作のチームの活躍を否定するようなストーリーなんだもの。あのね、このチームは狡猾で緻密で常に相手を出し抜かないといけないんです。続編、続々編はいかん。
少林サッカー
老サッカーコーチとサッカーのうまい青年が出会い、邪悪なチームに勝たなくてはいけなくなりチームを結成する物語。そのメンバーとはすでにおっさん化している青年の兄弟たちだった。勧誘に行っても、かつてはスポーツにいそしんだ彼らも生活に追われる毎日。結局全員に拒否され老コーチとしょんぼりしていると、考えを変えた彼らはひとりまたひとりと戻ってきた!青年は土下座して言う「お帰りなさいまし」 すばらしいコメディー映画。
イップマン 序章
ブルース・リーの師イップマンの伝記映画。何作もあるけど私はこの序章しかみていない。コメディー入っている前半の台本が良いのでとても評価する。ただし後半の日本軍の邪悪を描いている場面は劇画チック過ぎてもう少しなんとかして欲しい。空手大会でちょっと図々しいというだけで中国人武道家を撃ち殺したり、日本軍の将校がイップマンに対抗可能なくらいの空手の名人だったり。職業軍人が空手の修行してる暇ないだろ?と言いたい。
しかし前半のイップマンが幸せな時代の台本はとても良い。イップマンの奥さんがものすごい美人なのだが、冷たい感じでどうしてイップマンこんな女といっしょになったと思わせるのだがそうではなく、ものすごくイップマンを理解しているのだった。
あらくれものが見物人を引き連れて試合を申し込みに来ると「ここは自宅で試合する場所ではありません!」ときっぱり奥さんは言うが、あらくれものが女の陰に隠れて試合しないのかと公衆の面前で散々イップマンを辱めるのを聞くとイップマンに「物を壊さないで」とささやいて別室に行ってしまう。試合が家の中で始まる。イップマンは優しいのでできる限り打撃を加えずあしらおうとするがあらくれものもかなりの実力者でもみ合ううちに家具を壊すことが二度におよぶ。そこにイップマンの幼い子供が三輪車で現れ二人の間に入り戦いが一時止まる。子供は言う。「おかあさんが反撃しないから物が壊れるって」イップマンはにっこり笑ってうなずく。そこで試合再開。いいよね、この台本すばらしい。
(2021/6/27 ケゾえもん 記)
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