生活

太陽の国スペインの太陽にご用心:息子が熱中症になった話など

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南欧は、北欧人にとって、バカンスの行き先としても、定年後の移住先としても人気の地域である。飛行機で数時間で行けて、時差もないのに、景色も文化もガラリと違い、食べ物が美味しくて物価が安い。

そしてなんと言っても魅力は太陽。

北欧の夏は最高に素晴らしいが、運が悪いと寒くなることもあるし好天の保証がない。その点、南欧の太陽は、たいてい保証されているし、カンカン照りの太陽とトロピカルドリンクというのは、北欧の爽やかな夏とはまた違う、絵に描いたバケーションイメージのひとつである。

たとえば南スペインのアンダルシア地方、地中海海岸都市のひとつのマラガまで、ストックホルムから飛行機で4時間半。以下、太陽の国の太陽を満喫していたら、息子が熱中症になった話ほか。

南スペインで息子が熱中症疑い

南スペインで5泊して6日目の朝、9歳の息子の異変に気付いた。お腹を下し、ぐったりしており、頭に触るとアチチ。

前日、遊びすぎて発熱したのだろうとのんきに思ったが、同居人に、熱中症だ、すぐ冷水シャワーで身体を冷やせ、もし熱が40度を越えたら病院行きだと騒がれ、示されたインターネットのSunstroke, Heatstroke情報を見ると、恐ろしいことがいっぱい書いてあった。慌てて身体も触ると、全身の皮膚が焼け石のように熱かった。

熱中症なんて考えもつかず、まったく無知でうかつだった。

自分が後進国の部族民にでもなった気分になった。ハエが飛びまわる中、病児を抱きかかえ、知識がないために何が起こっているかわからず、ただオロオロしている親の姿に自分を重ねて気落ちした。

毎夏、日本で老人が熱中症で死亡するのは知っていたが、それを聞くたびに、冷房もない不快指数100パーセントの部屋の中で、次第にぐったりしていく老人の姿を思い浮かべていた。あるいは、炎天下の中で、滝のような汗を流した後、意識が朦朧としてバタンと倒れるようなのが熱中症だと思っていた。

しかし、アンダルシアの地中海海岸は、とても快適なのだ。日向は暑くても木陰に行くと涼しいし、汗もかいてない。

冷房の効いた部屋でゆっくり寝た翌朝、熱中症の症状に見舞われるなんて!

息子の熱は38度台で収まったので、病院に行っておらず、実際に、「熱中症」という診断名がつくものかどうかはわからない。焼け石状態の身体を冷やしながら安静にしていたら、翌日には熱が下がり、二日後には食欲も回復して元気になった。

折しも、スペインのアンダルシア地方で山火事が発生し、死者も出たというニュースが日本にも流れていた時で、友人・知人が心配してくれたが、山火事は車で4時間半の距離で関係なかった一方、息子の身体に火事が起きてしまった。それもホクオの管理不足が原因の人災だったという、反省すべきハプニングだった。

息子の熱が下がって一安心したところで、自分の背中も日焼けで痛くなっていることに気づいた。炎天下の海岸には、短時間しかいなかったこともあり、背中はノーマークだったが、日本の夏の海にも長く行っていないので、日差しの強烈さを侮っていたようだ。
 

スペイン人の生活リズム

この話を、スペイン人の配偶者を持つ友人に話したところ、スペイン人は、夏休み中は、朝と夜だけ活動し、日中は動き回らないのだと教えてくれた。

そう言われてみれば、日中のホテルのプールは、下の写真の通り貸し切り状態だった。パラソルの下で寝転がっている人は多い時でも、泳いでいる人はほとんどいなくて、現地の子供たちも、夕方になって泳いでいた。

そもそも、夏休み中とはいえ、スペイン人は、朝も夜も遅い。

海辺のリゾートホテルの朝食時間は8時から10時半だが、8時半に行った日にはほとんど人がいなくて、10時に行った時には、中に入りきれず、順番待ちをしなければいけないぐらいだった。


上の写真:8時半に朝食に行ったらガラガラ。


上の写真:9時過ぎになったら混んでくる。


上の写真:10時過ぎに行ったら、中に入り切れずに外まで行列。

ホテルのレストランの昼食時間は13.30から15.30で、夕食時間は20時から22時だった。日本人の中高年団体さん向きではない。

街のレストランでも夕食時間は、20時過ぎに開店というところが多かったし、街中のホテルの遊技場では、宿泊している小学生の団体が夜中の12時までビリヤードをしていた。

借りて持参していた日本のガイドブックには、スペイン人の生活スタイルがこのように書かれてある。

スペイン人は食べることが大好きだ。

まず、朝食(Desayuno)は軽くすませて出勤。パンとエスプレッソ、もしくはチューロスとココア。

11時頃に、仕事場近くのバルで軽いつまみ。買い物に出かけた主婦たちもバルでおやつ。(Merienda media manana)

昼食(Comida / Alnuerzo)は1時半から3時の間。昼食に重きを置くお国柄で、前菜、主菜、デザートにコーヒーというフルコースで、たっぷりと時間をかけ、食事の前の一杯も欠かさない。

昼下がりには昼寝(シエスタ)の風習が残っているので、昼休みも2、3時間ほどあり、職場が家に近い人は、家に帰って食事と昼寝。(この麗しい風習は廃れていく傾向にはあるが。)

夕方になると、仕事帰りの一杯を引っ掛けながら、つまみ(タパ)を楽しむ。(Merienda)その時、友人たちと店をハシゴすることをChateoといい、何軒もハシゴすることも珍しくない。

夕食(Cena)は10時すぎに軽くとる。

「スペイン人は、食事の間に仕事をする」などと揶揄されるのもうなずけるではないか。我々もスペインでは大いに食べ、飲み、そして語ろう。料理のおいしさとともに、生きている喜びをも味わえるはず。
「スペインわがまま歩き、ブルーガイド」より)

 

おまけ:スペイン海岸アート

海岸を歩いていると、歩道の下に位置してよく見える場所に、こんなものがあって人目を引いていた。

作者は、下の写真左のおじさんで、毎朝、この同じ場所で同じオブジェを綺麗に造り直すのが仕事のようで、あとは、一日中、アートの横で、海を眺めながら座っている。アートの横に広げられた布切れに、アートを見た人がお金を、海辺にいる場合は、こうして置いていくし、歩道を歩いている場合は、上から投げる。

写真:アートを作ったおじさんの敷いた布に、小銭を置きに来ていた兄弟。

スウェーデンには、この数年で乞食がドッと増えて、彼らの厚かましいとも言える態度には辟易することも多いが、こういうアーティストなら、喜んで小銭を差し出したくなる。

下は、南スペインの海岸。2017年6月末撮影。このページ先頭のイメージ画像はマラガ。

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