夏休み全開のスウェーデン with コロナ:英国誌の記事「最後に笑うのはスウェーデンかもしれない」より

こどももおとなも、2ヶ月あまりの夏休みをコロナに負けず目一杯楽しんでいるスウェーデン人たち。みんなコロナの影響は受けているし、経済的打撃を受けている人も多いのだが、それで夏休み返上という人は聞かない。

外国にいると想像しにくいと思われるスウェーデン在住者の置かれた状況と態度を示す典型例が載っている記事を見つけたので、難しいことはさておいてその該当箇所だけを訳してまとめた。2ページ目は日本からの便り。(全2ページ、2,500文字)

ホクオ
難しいことが知りたい人は、原文を読んでください。グラフや統計資料もたくさん載っています。

イギリス人レポーターによる、「スウェーデン、コロナの夏」の取材記事。

以下、2020年8月9日付のイギリス誌、Daylymail.co.ukより、記者イアン・バーレル (Ian Birrell)の「ロックダウンをせず、学校閉鎖もせずマスクも義務付けなかったことで世界中から非難や中傷の的になってきたスウェーデンだが、集団免疫獲得も間近だと言われているし、結局、最後に笑うことになるのかもしれない。」という記事の一部の拙訳。


天気のよい夏の日、桟橋付近に腰を下ろしてストックホルムに向かう帰りのフェリーを待っているカップルにインタビューした。島で1日を過ごしたふたりは、リラックスして満足そうな表情だった。

島で帰りのフェリーを待つCarolinneとTobias

映画関係の仕事をしているカロラインは子供もいる若い母親 (35歳)。パンデミックの打撃を受け、契約はすべて打ち切られ、生活費を稼ぐために馬グッズを売る店で働かなければいけなくなった。パートナーのトビアスはフリーランサーのカメラマンで、彼の収入も激減したと言う。

それでもわたしがこのカップルに、スウェーデンのコロナ政策を決定している専門家テグネルについて聞くと、彼らは「テグネルはヒーローだ」と即答した。

「国全体に影響を与えるこんな重大な決定をすることは、本当に大きな責任を伴います。彼が、どんなにたくさんの批判を受けようとも方針を変えなかったことはすごいと思います。」とカロライン。

テグネルというひとりの科学者に対するこのような賞賛は、わたしが先週訪れた島で、日帰り旅行客たちにインタビューしたときにも口々に聞かれたものだった。

スウェーデンのコロナによる高い死亡率を考えると、国外の人間には奇妙な反応に思えるかもしれない。

しかし、ロックダウンした国々でまた感染率が急上昇し、学校や経済の再開も危うくなっている状況を見ると、スカンジナビア半島にあるこの国のやり方が、長い目で見て正しかったと言える日が来ないとは言えないのではないだろうか。

わたしがインタビューしたスウェーデン保健当局の専門家たちは、パンデミックとの戦いはマラソンレースのようなもので、短距離走ではないと言っている。

島に遊びに来ていた別の一家
ストックホルム市内のPulsund運河で水遊びをする人たち
2020.8.8

※ホクオ注:3密を気にしていないという例として、ホクオもいちばん人が密集している場所をわざわざ選んで写して冒頭に入れておいたが、スウェーデン中に独り占め状態で優雅に泳いだり遊んだりできる場所が無数にあるので、こんなに混んでいる水遊び場は、実際にはあまりない。

 

1

2>


【クラシック寄稿】ウィーン・リング・アンサンブルのはなし(ケゾえもん)前のページ

【オーディオ寄稿】スピーカーは絶対ワンウェイがよい(ケゾえもん)次のページ

関連記事

  1. スウェーデン、ストックホルム

    ちっとも短くない北欧の夏:意外な事実

    北欧の人たちが大人も子供も夏は勉強も仕事もしないで遊んでばかりいると…

  2. スウェーデン、ストックホルム

    ノーベル賞晩餐会の予行演習みたいなエリクソン社の豪華パーティー

    (最終更新日:2019年12月10日)通信機器などを扱うスウェーデン…

  3. コロナ

    【コロナ寄稿】日本が医療崩壊のわけがない(ケゾえもん)

    最初は「死者がたくさん出るから大変だ」ということだったが、死者数が思…

  4. コロナ

    【コロナ寄稿】ガセネタが多い中、デルタ株についてわたしが把握していること(ケゾえもん)

    ホクオ、日本は今、たいへんなことになってますよ。コロナになると自宅…

最近の記事

人気記事

  1. 骨折したときは腕を吊らないでください(スウェーデン医療)
  2. 【ケゾえもんコロナ寄稿】2020-2023 コロナ専門家たち…
  3. スウェーデンのゆるいコロナ対策は失敗か?死亡率グラフで一目瞭…
  4. 【コロナ寄稿】明けないコロナの夜明け:コロナの終戦はいつ?(…
  5. スウェーデンでタコパ:こだわりタコ・ラブラブわんこ・およげた…
  6. 報道ステーションでスウェーデン:日本人はなぜコロナをそんなに…
  7. 小林よしのり「ゴーマニズム宣言コロナ論」とケゾえもんコロナ映…
  8. 「スウェーデン方式の真相」と老人のコロナ死を自然死だと言えな…
  9. 不朽の名作映画「ニューシネマパラダイス」
  10. 流行の北欧ぬりえ作家ハンナ・カールソン、自分の両腕にもぬりえ…
  1. ケゾえもん

    【寄稿】イーロン・マスクのスペースXで行く宇宙観光は、アマゾンのジェフ・ベゾスの…
  2. Uncategorized

    ケニアのマイケル
  3. スウェーデン、ストックホルム

    ヨックモック(日本洋菓子ブランド) はスウェーデンの地方都市の名前
  4. コロナ

    【コロナ寄稿】高齢ならコロナで死ぬのもそんなに悪くない(ケゾえもん)
  5. Uncategorized

    キノコの季節
PAGE TOP