北欧の人たちが大人も子供も夏は勉強も仕事もしないで遊んでばかりいると聞くと、「北欧は冬が長くて厳しいから、短い一瞬の夏を楽しもうとするんだろうな。」と思う日本人は多い。
実際には、日本の桜の季節とか、秋の紅葉シーズンとは違い、北欧の夏は一瞬どころか延々と3ヶ月以上続く。(1,900文字)
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データで見る夏
では、データで見てみよう。(グラフは苦手と言い続けてきたのに、いつしかケゾえもんの影響が・・・。)
これがストックホルムの1年間の平均最高・最低気温(赤と青)と降水量(緑)。平均最高気温が20度を越える「夏」の月が6,7,8月の丸3ヶ月ある。梅雨もなく一様に爽やかな上、日照時間が長くて夜の9、10時まで明るいこの期間、ほとんどの人が遊び続けている印象だ。
以下の東京のデータと比較してみると、気温はもちろん降水量が違うのがわかる。晴れの日の湿度もぜんぜん違う。
6,7,8月は夏休み、コロナも関係なし。
以前にもどこかで書いたが、スウェーデンに引っ越してきて、月1回の仕事関係の勉強会に参加し始めたところ、5月の集まりで、「それでは次の集まりは9月ですね。みなさんよい夏を!」と言われて驚いたが、これはスウェーデン人なら誰も驚かないふつうの会話なのだった。
子供の習い事も大人のカルチャースクールも、5月の終わりか遅くて6月の始めには夏休みに入り、次に再開するのは8月の終わりか9月の始めと決まっている。
コロナの夏もそのサイクルは変わらなかった。コロナ中、仕事ができなかった分とか、授業が進まなかった分、夏休みを返上するなどということがありえないのは、ホクオの知る限りヨーロッパ中どこでもそうだった。日本では、それを当然のこととして、子供たちも短い夏休みを受け入れていると聞いたが。
2020年の夏休み終わる
2020年8月19日水曜日、本日はストックホルムの学童たちは新年度の始まりで始業式だった。コロナのため、講堂での入学式も始業式もなかったが、中学生でも学校はたったの1時間のみで終了した。
途中に登校日もない8週間の夏休みのあと、水曜日は先生や級友にあいさつだけして、木・金曜日で慣らし登校して週末二日休み、翌週月曜日から本格的にスタートするため、新学期はたいてい水曜日に始まる。
この点、近くのドイツやスイスは6週間の夏休みのあと、今週、月曜日からフルタイムで始まっていると聞くので、スウェーデンはとりわけゆるい。
それにしても今日も朝から自宅の外では大人の海水浴客でにぎわい、夜9時過ぎまでヨットが浮かび、モーターボートのエンジン音が鳴り響いていた。子供たちの夏休みも終わった平日だとはとても思えず、まだ曜日感覚が戻らない。