【寄稿】80歳とは死ぬことと見つけたり:ケゾえもん、死ぬ心構えを説くの巻

2ヶ月以上前にいただいたままホクオが編集・公開を忘れていたケゾえもん名作寄稿、2,500文字。

ケゾえもんイメージキャラクター

「死ぬことと見つけたり」

(2021年5月30日、文=ケゾえもん)

「私が神に召される日」(2021/5/28)について(召されるというのはジョークですからね)すこし補足したい。
コロナのことについてでなく80歳台で死ぬことについてだ。

90歳にたどり着く人は少ない

この人口比を見れば一目りょう然だが90歳にたどり着く人は少ない。
多くの人に80歳から90歳の間の10年間でかなりの確率で「何か」が起こるのだ。

例えばだ。私が80歳になった翌日たまたま受けた検査で悪性のガンがみつかったとする。
私が言っているのはそうしたらそれは想定内にしておこうということだ。そうでないと驚きあわてて、なにがなんでも根治を目指しておかしいことをしてしまったりする。

だいたい80歳になってなにがなんでも生き残ろうとすると、しばしば医者に命を人質にとられるかっこうになり、せっかくの晩年に自由を奪われることになる。

以上は心構えであって、悪性のガンにもしなったら具体的に何をするかは、その時に決める。私は「なにがなんでも生き残ろう」は目指さない。目指すのは残りの人生のグッドクォリティである。

だいたい、私ほど来るべき80歳を意識している人は少ないだろう。

入れ歯は避けたいので歯は大切にする

80歳にもなって急に入歯はもはや対応は難しいだろうから、歯は大切にしている。

食後、可能な限り歯磨きだけでなくフロスも使って、完全に食べかすは取るようにしている。

永久歯が一度しか生えてこない人類の悲しさ、歯が大分すり減ってきているので、歯医者に作ってもらった上下の歯のプロテクターを24時間はめることを最近になって決めた。お出かけの時はあまりに大仰なので外すがその時は歯を食いしばらないように気をつける。武道をやっていたので歯をくいしばりがちになる癖があるようだ。遺伝的要素が強いそうだが、私の歯は丈夫で手入れも良いので歯肉炎もまったくなく、今のところ24本全部(8番と4番は欠損)自分の歯を使えており、これで一生持たせるつもりだ。矯正もしたので歯並びも非常に良い。面倒なことだがクォリティオブライフのために仕方がない。

脳の検査は怠らない

脳血管系の病気には絶対なりたくない。10ヶ月に一度程度、脳のMRI検査と超音波による頸動脈プラークの検査を受けている。もう何年も脳の3Dデーターがたまっているので、医者はモニター上で比較することができ、恒星の中で動く小惑星を発見する天文学者のように、私の脳になんらかの異常があれば察知できる。おまけにこの検査の時に主治医にしてもらった空腹時総合血液検査結果および尿検査も必ず持っていく。直近の検査ではしきい値をわずかに越えた項目が一つあっただけである。腫瘍マーカーももちろん問題ない。

おいしいものを食べ過ぎた人生で頸動脈プラークだけは悩みで、これが剥がれて脳梗塞になる危険はいつもあるそうだ。これが成長しないように食事には気を付けている。というか気を付け過ぎて最近外食するとしょっぱくてかなわない。

トレーニングはデビ夫人とトムクルーズをイメージして行う

こないだデビ夫人が沖縄の西表島のジャングルに探検に行くテレビを見た。82歳だそうだが、ジャングルの中をスタスタ歩き、競争でカヌーを漕ぐのに驚いた。なんらかのトレーニングを常に欠かさずしているに違いない。それを言うならトム・クルーズ58歳もすごいトレーニングをしているに違いない。

歳をとると非常に筋肉が落ち易くなる。私もトレーニングでうんうん言うときは「トムはもっとがまんしているに違いないんだ!」と自分に言い聞かせてがんばるようにしている。筋肉を落とすと人生のクォリティを落としてしまう。ここで注意しないといけないのはボディービルディング系のトレーニングをしないこと。わたしも一度してムキムキになったことがあるが、非常に怪我のし易い体になってしまう。インナーマッスル鍛え系の運動を目指すべきだ。

ブログ投稿で脳トレする

認知症になってしまったら仕方がないが、脳の働きのコンディションを良くしておくことも大事なことだ。ホクオのところで文章を書いているのも、文章を組み立てることは脳のコンディションを良くするのに非常に良いと感じているからだ。早く文章を作れるとは言え、相当な時間をこのブログの記事を作ることに使っている。メリットを感じているから記事を作っている。

早く文章を作ると言えば、10本指タイピングは大学の研究室にいる時に始めた。当時はコンピューターのプログラミングをしないといけないので1本指タイピングで風のように早く打てた。ある日奮起して、あのころはインターネットもないので百科事典でタイピングの指の置き方を調べて自己流で10本指タイピングを始めたがつらかった。なにがつらいって1本指の方が圧倒的に早いのにもたもた10本指で仕事することだ。根性で続けたら3日目に1本指と同等になり、以後1本指ではやる気がしなくなった。しかも10本だとブラインドができる。

80歳とは死ぬことと見つけたり

人間80歳台で死ぬのだ。そう考えておけばかなりの確率で80歳台に起こる「何か」に出会ったときに慌てないで済む。そうすれば「何か」に出会ったときに自由を失わずに済む。80歳とは死ぬことと見つけたり。

「葉隠」(はがくれ:江戸時代の書物)

どちらにしようかという場面では、早く死ぬ方を選ぶしかない。何も考えず、腹を据えて進み出るのだ。(中略)そのような場で、図に当たるように行動することは難しいことだ。私も含めて人間は、生きる方が好きだ。おそらく好きな方に理由がつくだろう。図にはずれて生き延びたら腰抜けである。この境界が危ないのだ。図にはずれて死んでも、それは気違だというだけで、恥にはならない。これが武道の根幹である。毎朝毎夕、いつも死ぬつもりで行動し、いつも死身になっていれば、武道に自由を得、一生落度なく家職をまっとうすることができるのである。

「葉隠れ」(現代語訳)ウイキペディアより

(2021年5月30日、文=ケゾえもん)



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