スウェーデンの生活

スウェーデンの夏休み事情

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写真:ストックホルムの地下鉄

今週になって、ストックホルムの街に、どっと働く人々が戻ってきました。
朝夕のラッシュアワーに、地下鉄が満員で、座れないことがあるなんて、とても久しぶりで新鮮です。

東京のオフィス街も、お盆休暇の数日間、閑散となりますが、ストックホルムでは、それが2ヶ月も続くのです!

今年の場合は、6月22日が、夏至祭前日、つまりクリスマスイブに並ぶ二大ホリデイのひとつでした。

この日に向かって、休暇ムードは高まり、数日前から、長い休みに突入する人がたくさん出てきます。

その6月後半から、8月2週目まで、今年の場合は8月12日まで、街で会社員らしき人たちの姿を、ほとんど見かけませんでした。

まず、7月に入ると、保育園が丸5週間の休みになります。

保育園の休み、それは、イコール親の休みです。

そうはいっても、その期間に働かなければいけない人もいるわけで、制度としては、保育園には、平日は、保育義務があるのですが、夏休み期間は、たくさんの保育園が集まって、一箇所で、共同保育してくれるようになっています。
「必要」があれば、その共同保育場所に子供を行かせてもよい、ということですが、いつもと違う場所、いつもと違う先生や仲間しかいない保育園に、子供を行かせる「必要」のある親は、実際にはほとんどいないといってもいいぐらいなのです。

それどころか、丸5週間の保育園の夏休み期間の前後にも、仕事を休む親がたくさんいるので、保育園は、夏休み前の1週間と夏休み後の1週間は、やってくる子供が少なくてガラガラになります。つまり、「丸々6~7週間の休み」を取っている人が、とってもたくさんいるということです。

「最低5週間の休み。もっと長く休む人もたくさんいる。」というのは、何度も聞いて、頭で理解していたつもりでも、わたしにはどうしても半信半疑なところがありました。

スウェーデンに住み始めて2年半になりますが、ストックホルムに引っ越したのは半年前。

引越す前は、周囲のスウェーデン人の休みの多さに驚嘆しつつも、どこかで「田舎の人たちが、こうやってのんびり暮らしていても、都会では、いくらなんでもこうはいかないだろう。」と、思っていたフシがあります。

がしかし、都会の人たちも、田舎の人たちとまったく同じように休んでいることを、この夏わたしは、この目で見てしまいました。

こんなに休みが多いなら、サラリーマンになりたい!と思っていたわたしですが、自営業者も個人商店も、しっかり休んでいるということも判明しました。

「店を開けていても、どうせ人が来ない」から、自分たちも店を閉めて休暇に、というのなら、話はわかりますが、「夏は稼ぎ時!」というような店でも、「みなさん、よい夏を!」の張り紙とともに、平気で、1ヶ月、閉まっているのです。

たとえば、近所にある人気のカフェ。外のテラスがウリです。春にオーナーが変わったあと、新装リフォームの作業が遅々として、なかなかオープンできないでいたので、ひとごとながら、やきもきしていたのですが、やっと6月にオープンしたので、あー、夏の稼ぎ時に間に合ってよかったなあ。と思っていたら、7月になって、「ではみなさん、8月18日に会いましょう!よい夏を!」という張り紙です。「えっ、まさか、ここも休むの!?」と、わたしは目を疑いました。

わたしがもし、この店を新しく始めたオーナーなら、オープンして数ヶ月は、血眼になってでも、できる限り長い時間、店を開けておくだろうに、なんとうらやましい「商売根性のなさ」でしょうか!
夏ももう終わろうかというのに、せっかくのテラス席は、この先、何週間、使えるのでしょうか。

日本人が経営者のお店だって、例外ではありません。

ストックホルムの街のど真ん中、夏には、観光客がいくらでも来そうな日本料理店も、6月の夏至祭のときから閉まっていました。

「8月中旬まで休みます」

の張り紙です。
休暇明けに、いつから店を開けるかさえ、はっきり決めていないようでした。

そして8月に入って、休暇から戻ってきたようで、張り紙が、「8月13日から、店を開けます。」に変わりました。

一等地にあるレストランなので、店舗の賃貸料だって相当高いはず。それを約2ヶ月間も、無収入でいられるなんて、なんと大胆なことでしょうか!

・・・こんなに休める人たちは、よっぽど“余裕”があるのだろうと、日本人感覚では想像するのですが、聞くところによると、「経済的余裕」に関していえば、たとえばスウェーデン人は、貯金をする習慣がなく、「貯金ゼロ」でも、オロオロと将来を憂えたりしないのだそうです。

つまり経済的余裕がなくても、精神的余裕があり、たとえ、たくわえがなくても、休んでもいいし、休むことが、あたりまえなのです。

「自分が休んだら、困る人がたくさんいる」、などという考え方も耳にしたことはありません。「自分の休みを犠牲にしてまでも、人のために働く」という発想がないか、あっても、それが美徳だとは思われないのでしょうか。

なじみの歯科医師、整骨院、カイロプラクター・・・が休暇中だけれど、下手に、知らない人に触られたくない、と言って、1ヶ月以上も、痛みに耐えている人たちは、それを不満に思っている様子もありません。

医療関係者も当然のように休むので、大きな病院の医師や看護者の数だって、ぐっと少なくなるのです。

この時期には、なかなか治療してもらえず、順番を待っているうちに、落とさなくていい命を落とす人さえいるそうですが、それも、夏に病気になってしまった、自分の運命として、受け入れるしかないということでしょう!

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