知られざるブロガーとYoutuberの世界

 

小林麻央の闘病ブログがたくさんの人に読まれて相当な収入になっているらしいけど、それってどういうことなのと母に聞かれた時に、「さあ。」としか言えなかったのは、つい数ヶ月前のことである。

興味もなかったので、追求もしなかった。

しかし、Otsuka氏にいろんなことを教えてもらい、カラクリがわかってきた今、これまで、何も知らないで毎日眺めていたインターネットの画面が、隅々まで「見えて」くるようになった。

小林麻央と海老蔵のブログ収入

以下のページで説明されているように、夫婦合わせてのブログ収入は、ざっと年間6,000万円らしい。

(他にも小林麻央だけで1ヶ月に1,000万円とかいろいろな説があり、実際のところはわからないが、とにかく巨額であることは間違いない。)

http://www.miitannozatsudan.com/article/448771033.html

アメーバーブログ、通称アメブロなどに掲載されている芸能人のブログは、その「人気」、つまりどれだけ閲覧されたかに応じて報酬が発生するという取り決めになっているそうだ。

小林麻央と海老蔵がブログを載せているアメブロでいうなら、芸能人の人気ブログはアメブロの宣伝になるのだから、芸能人がアメブロから報酬をもらうのは道理にかなっている。

しかも芸能人側にとっても、アメブロにとっても、これ以上にないほど公平な計算方式といえる。

通常の広告というのは、採用するモデル、芸能人、有名人の「格」によって広告料が変わってくる。

たとえばテレビのCM1本につき、有名アスリートでいうと錦織圭クラスなら1億、羽生結弦クラスなら8,000万、三浦知良クラスで1,500万(Friday「2017年有名アスリートCMギャラ・ランキング」より)といった具合だ。

しかしこの「格」、実に曖昧。それに、三浦知良ではなく錦織圭をCMに使えば、売り上げが8,500万円アップするという保証があるわけでもない。

その点、正確な「閲覧数」で広告料が決まるというのは芸能人の「格付け」よりずっと公平なシステムに思われる。

 

ブログ・サイトの広告収入

さらに「ブログの広告収入」というのがあり、これは、ブログをやっていれば芸能人も一般人も関係ない。

アフィリエイトと言われるその広告形態には、大まかに分けて2種類ある。

  • 成果報酬型:ブログ内に貼り付けた広告を通して商品が売れたら、報酬がもらえる。
  • クリック型:ブログ内に貼り付けた広告が、クリックされるだけで報酬がもらえる。

成功報酬型は知っていたが、クリック型のことは知らなかった。知らなかった割には、個人のサイトやブログだけでなく、今時のあらゆるニュースサイト、すべてにこれがついているし、企業のサイトにも普通に掲載されている。

たとえばホクオの場合、ネットサーフィンをしていてよく見かけるのが「日本へ転職」というやつ。日本に住んでいない働き盛りの日本人だとバレているのが気持ち悪いのだが、あれをポチッとやると、閲覧中のそのウェブサイトにチャリンと5円なのか30円なのか、もっと少ないのか多いのか金額は知らないが入るらしい。

「さっき、自分が別のサイトでチェックした商品が、なぜか、このページに。何で知ってるんだろう?」ということも当たり前になってきたが、あれらも、すべてそのウェブサイトの「広告収入」につながるものだった。(こちらは、「成功報酬型」で、クリックしただけではサイトの収益にはならない。)

アフィリエイト広告は、誰でも自分のウェブサイトやブログページに載せることができ、必要経費もかからない。(ただし無料ブログを使用している場合は、載せることができなかったり制限があったりすることもある。)

クリック型の場合、ブログが多くの人に読まれたらそれだけクリックされる確率も高くなり、チリも積もれば山となる。

よく、端っこに「PV○万件突破!」などと書かれているブログを見かけるが、PVはプレビュー、何回そのサイトが開かれたかという閲覧数を表す。今まで、その数字はただの自己満足のためのものだと思っていたが、とんでもない。PV の値は、広告収入の多さにダイレクトに繋がるもっとも大切な指標で、ブログをビジネスとしてやっている人たちは、PVの値を伸ばすことにしのぎを削る。

ブロガーという職業

小林麻央のように人気ブログを運営して、月に数百万円も稼ぐ人は一握りだろうが、ブログで月に数十万円稼いでいてそれだけで食べていけるという人なら、巷にゴロゴロいるらしい。

最近そんなことを知ってから、知人宅で日本の雑誌をめくっていたら、そこに載っていた一般人の肩書きが「ブロガー」となっているのに目が留まった。

「ブロガー」や「ユーチューバー」を名乗る人たちは、たんにブログをやっている人、Youtubeで画像を公開する人ではなく、仕事としてブログやYoutubeをやり、それ相当の稼ぎを得ている人らしい。

もっとも、ブログで一銭も稼いでいなくてもブログをやっていれば”ブロガー”には違いなく、ここ数年、猫も杓子もブログをやって、一説では日本の成人「三人に一人」がブログをやっているとも言われる。そういう猫や杓子と、本業・副業として収益目的で真剣にブログをやっている人たちを区別するため、後者を「プロブロガー」とか「パワーブロガー」と呼んだりもする。

よく、パソコン関係でわからないことがあった時にグーグル検索すると、実にわかりやすく解説してくれている個人サイトがたくさんある。写真つきで見やすく、下手なマニュアル本なんかよりよっぽど役に立ち、こんなにきちんとまとめてもらってありがたいことだなぁ、ご苦労なことだなぁと思っていたが、改めて見ると、それらのサイトには、必ずと言っていいほど広告がついている。ああいうサイトを作っている人たちの中には、プロブロガーも多いのだろう。

アメリカンドリーム

ブロガーとYoutuberの世界は、資金ゼロで一獲千金を狙え、年齢も性別も学歴も肩書きも国籍も一切関係のない完全に公平なアメリカンドリームの世界だ。

半年前に帰国した時、「ユーチューバー」が世間を騒がせていた。

Youtubeに衝撃的な画像を公開したいがために、クレーマーとして、電動ノコギリを持ってヤマト運輸に押し入り暴れている自分をビデオで撮影して公開し、逮捕された男。

その後、「あんなことしてごめんなさい」画像も新たに自撮りしてYoutubeで公開し、恥の上塗りをしていた。

それをテレビで見た時、「ただの目立ちたがりのバカ男」としか思っていなかったが、きっと、あの男もアメリカンドリームを追いかけていたのに違いない。

ホクオのおままごと

何を隠そう、ホクオもかれこれ10年近く、毎月、多くて数百円の広告収入を得ている。

仕事用のサイトで本を紹介していて、それを見た人がその本をクリックして、アマゾンを通して新品で購入すると報酬がもらえるという「成功報酬型のアフィリエイト」だ。

報酬率も知らないが、今、初めて詳細を確認してみた。

ホクオのこれまでの「成功報酬」履歴は、1ヶ月分で6円とか10円の月も多く、最近では2017年1月¥513、2月¥72、3月¥195、4月¥267と来て、5月¥1,188・・・おっと、アフィリエイト歴8年半にして初めて1,000円の大台に乗っているではないか!
もっとも、今月は半月過ぎて今のところゼロなので、最高記録のあとは6円を下回る最低記録になる可能性もある。

こんなおままごとレベルのホクオにはアメリカンドリームの野望こそないが、累計1,500円になったところでもらえるアマゾンのギフト券は嬉しいし、自分のサイトを偶然見つけてくれたどこかの誰かが、自分の書いたことを読んで関心を示して商品をお買い上げなんて、想像しただけでなんだか楽しくなってくる。新しく始めたこの匿名ブログでは、せっせといろいろ広告するゾと思っている。

2017年9月、追記:開設4ヶ月を迎えるこのブログの収益金は、ゼロ円。ブロガーもアフィリエーターも、きっぱり諦めることにした。

第2部:プロブロガーの実態、イケダハヤト他

この程度では「プロブロガー」と呼べない?:「けぴお」氏

ところで、プロブロガーが日本にどのぐらいいるのか知りたいと思って検索したが、見つけられなくて代わりに見つけたのがこの記事だった。

【2016年度調査】日本のフリーランス人口が1,000万人を突破

この記事によると、以下の通り。(上述の記事より編集して抜粋。)

クラウドソーシングを展開するランサーズの2016年度調査によると、日本のフリーランス人口は1,064万人を突破。

※「フリーランス」は、完全にサラリーマンをやめて仕事をしている人だけではなく、ネットで副業をしている人や個人経営者を含む。

フリーランサーといえば、カメラマンとかアーティストを思い浮かべるが、最近のこのカテゴリーには、プロブロガーがかなりの割合で含まれているようだ。

そして、これがこの記事を書いた「けぴお」氏の言葉。

フリーランスの目的は、「自由で柔軟な生活」という人が多く、私も「自由で柔軟な生活」を目指しています。

サラリーマンとして平日を拘束されることなく、(イチイチ管理されたくないし、自分でやりたい。)、自由であって自ら選択できて、自分を律しつつも、自立して収入を得たいというのが私の目指すところ。

自由になるために、収入を増やして行き、いつかサラリーマンから脱出できる日を待ちわびながら、今日もブログを書いています。

「けぴお」氏のプロフィールには、彼のブログが「月間22万PV」であると書かれている。1ヶ月にそれだけのアクセスがあっても、「家族を養うためには、今の10倍のフリーランス収入が必要」なので、「まずは、(1日の?)ブログPVを10万まで」持っていきたい、とのこと。

プロブロガー1本立ちへの道は、長く険しい。

プロブロガーらしいけど、控えめなトーン:「のんくら」氏

次に見つけたのは、正真正銘のプロブロガーらしい「のんくら」氏。以下、こちらのブログよりプロフィール。

Web業でかろうじて食べてるフリーランスな人。pcでご飯食べてる人生ほぼ休憩ちうの人。殆ど人前には出ない人。

人と自分を比べたり競争したりしない超草食系マイペース男子。

2016年の保有ブログの最高月間PVは573万PV。

ふむふむ、確かに、けぴお氏より10倍以上のPVだ。

これだけブログで生活している人がいると、ブロガーって簡単に稼げるイメージを持っちゃうだろうけど、長期に渡って安定して稼いでいるブロガーって意外と少ない。

見た目は楽しそうに見えても白鳥の様に水中では足をバタバタさせて苦戦していたりするもんです。

なんか控えめな、自称「超草食系」。しかし「これだけブログで生活している人がいる」という記述は見逃せない。やはり、ゴロゴロいるというのは本当なのだ。

「プロブロガー」という言葉を提唱した業界の大物:イケダハヤト氏

これを書きながら、いろいろググっていたら、業界のドンを見つけた。「プロブロガー」の説明がわかりやすかったこの記事にも載っていたし、ウィキペディアにも載っているイケダハヤト氏。

「まだ東京で消耗してるの?」というブログが大ヒットして、本もたくさん書いている。

どんどん深みにはまって、切りがなくなってきたので、ブロガーごっこのおままごと遊びに戻って、このページは終わることにしよう。

・・・まんまとおままごとにハマってしまった。このイケハヤ、かなり面白そうな青年だ。
1986年生まれの自分たちの世代をハチロク世代と呼び、おっさん世代の考え方は古いとおっしゃる。バブル世代の我々おっさん・おばさんたちに、アタラシイ考え方を聞かせてもらおうぢゃないか!

東京はもう終わっている。人が多すぎる東京では仕事で頭角を現すのは難しく、少ない給料のほとんどは住居費などの「東京に住むための経費」に吸い取られる。おまけに子育て環境は酷く、食は貧しい。そんな東京に嫌気が差し、縁もゆかりもない高知県の限界集落に移住した著者は、家賃が8万円から3万円に下がり、収入は約3倍になり、自然豊かな環境で幸せに暮らしている。地方消滅という言葉があるが、人が少なく、ないものだらけだからこそ、地方には確実に儲かるのに未だ手付かずの仕事が無数にあるのだ。「東京」と「地方」の常識が変わる一冊。

努力すれば報われる。頑張れば、夢は叶う。そういう古い考え方は、もうやめませんか。
そんな甘い考えが許されるほど、日本は豊かではありません。
「努力すれば夢は叶う」という標語は嘘ですし、それは自他を苦しめる呪詛です。
これからの社会を生きるためには、昔の時代に当たり前だった価値観を、
大幅にアップデートしていかなければなりません。
「自己責任論」は、日本に染み付いた「平等主義」が育んできた悪徳です。
努力に関する価値観が変われば、社会はガラリと変わっていきます。
「新世代努力論」です。

自由と時間を売るくらいなら高年収はいらない
「お金」って必要なのでしょうか?
「年収」はやっぱり高いほうがいいのでしょうか?
「当たり前だろう」という声も聞こえてきそうですが、僕はここで立ち止まりたいのです。果たしてお金は、自分の自由や時間を犠牲にしてまで得るべきものなのか、と。僕は断言します。そんなことならお金はなくてもいい! お金がなくても人と人が直接つながれば、できることはたくさんあります。今やソーシャルメディアを使いながら、年収150万円でも幸せに生きることが可能になってきているのです。年収と幸せは比例しません。お金の呪縛を解きましょう。本書は、高度経済成長もバブル経済も知らない86世代の僕が書いた「〈脱〉お金のススメ」なのです。

「これからの時代の働き方」があるとするのなら、それは「問題意識をもって働くこと」です。
「自分が本来負うべきではない責任」を、自ら引き取るような働き方ともいえるでしょう。
「自分が本来負うべきではない責任」を引き取る人たちが数十万人単位で増え、ゲリラ的に活動していけば、世の中は間違いなく良くなっていくはずです。
今は何より、「これはおかしい! 」と「旗を立てる」人が少なすぎるのです。(本文より)
就職しない人にも就職している人にも届けたい新しいワークスタイル&ライフスタイル読本

まだまだ面白そうな本があるが、to be continuedということで・・・。
 

手ざわり抜群、スウェーデンBukowskiのぬいぐるみ前のページ

12時間円柱を描きつづけてはじめてわかったこと。「気づく」までにはたくさんの時間がかかるのに、みんな先に教わってしまうんだね。次のページ

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