昨日のイーロン・マスクの記事でホクオがケゾえもんに託した英語のサイエンス論文を、早速、ケゾえもんが解説してくれた。サイエンス頭のある人向け記事。(1,600文字)
「PCR検査の正体」
(文=ケゾえもん)
コロナについて書きたいことが山ほどあるのだけど順番に書いていかないといけないし、私はもう寝ないといけないので本日はホクオから出された宿題、カロリンスカ研究所のラッシュワース医師のPCR検査の信頼性についてのおもしろい論文を読み解いてそれで寝る。
ラッシュワース医師は検査には感度と特異度があると言っている。この説明は難しいんだけどやってみる。
私も説明したがPCR検査はウイルスのRNAをコピーしてそれを繰り返しものすごく少量のウイルスを検査できる量まで増やして検査するという手法である。コピーの回数を増やせば感度があがる。PCR検査では40回くらいコピーを繰り返して感度をあげているらしい。
特異度とはまちがった結果を出す程度を言う。特異度が低いということは病気でない人を病気と間違える確率が高いということを意味する。(あとで計算結果で説明するから安心して)従って特異度は高いほど良い。
ただし検査一般にそうなのだが感度と特異度は相反するもので感度100%、特異度100%などという理想の検査は存在しない。
PCR検査で言えば感度をあげようとコピーを50回、60回と増やせば感度はあがるが、へんなものをコピーする確率が増えてしまい特異度は下がってしまう。
そこで検査では検査方法を調整して適度な感度と特異度を設定する。
PCR検査では感度が88%、特異度が94%くらいに設定されているそうだ。
そこで仮定の計算をしてみる。
1000人のうち100人がコロナにかかっている。100人の患者がいるという状態を考えてみる。もう眠いので説明をはぶいて式だけみせる。
100人×0.88=88人(検出された本当の感染者数)
900人×0.94=846人
900人 − 846人=54人(検出された偽の感染者数)
88人+54人=142名でこれがいわゆる陽性者として発表される。
では状況が変わって(良くなって)1000人のうち10人しか感染してないとすると
10人×0.88=9人(検出された本当の感染者数)
990×0.94=931人
990 − 931=59人(検出された偽の感染者数)
9人+59人=68名がいわゆる陽性者として発表される。
1000人中100人患者がいた場合は陽性は142名(本当は100名)
1000人中10人患者がいた場合は陽性は68名(本当は10名)
このモデルでわかるように、陽性率が少ないほどPCR検査は不正確性が増す。従って疫学調査にPCR検査を使ってはいけない。
このことは別としても今のPCR検査は感染者でない人々を大量に拾っている可能性がある。
(2020年11月20日、ケゾえもん記)