(最終更新日:6月13日)
精力的な連続コロナ寄稿ですっかり有名になったケゾえもんは、多数のマニアックな趣味を持つ。そのひとつはオペラだったが、今回はクラシック音楽。
「最近の若者は良い音で音楽を聴くことを知らない」と言う”いい音マニア”による、そんじょそこらでは見つからない通のオーディオ指南。自宅で聴く音をここまで極めてこそ、クラシックファンでございます!・・・と張り切ってレクチャーしてくれながらも、コロナで打撃を与えられたクラシック業界が、今後存続を危ぶまれていることにケゾえもんは胸を痛めている。 (4,700字)
以下、ケゾえもん寄稿。
Contents
クラシック黄金時代の申し子の華麗なるクラシック鑑賞ヒストリー
私はクラシックファンで最盛期は年に50回くらいコンサートに行ってたこともある。50回というと毎週必ず行くくらいだよね。
なんせ黄金時代だったから。
カラヤン、バーンスタイン、アッバード、クライバー。
こういうビッグネームがつぎつぎに来日して指揮をしてた。
ちなみに私は、クライバーの生コンサートに全部で10回行ったことがある。
歌手だって、3大テノールをはじめ外国のオペラの引っ越し公演というと目をむくような歌手が主役、わき役をかためていた。
ピアニストもリヒテル、園田、バレンボイム、ミケランジェリ、アラウとあーなつかしい顔ぶれだ。
だから目の色変えてコンサート行ってたんだ。
今はそうでもない。ちょっと落ち着いてしまった。
定期会員になってるオーケストラはあるけどね。
それ以外はなかなかコンサートには行かなくなった。
世界のコロナ対応策は人生ゲームのルール変更
それにしても我がオーケストラ※のことは大変心配している。
もともと財政基盤が弱いし、公演には場合によっては100人もの子供のころから修行を重ねた超プロを出演させないといけないという、超贅沢な奇跡の興業形態なのだから、もともと無理しているんだから、けっして経済基盤は強くはないんだ。
今回のことで世界から消えてなくなる交響楽団も多いだろう。胸が痛い。
ソーシャルディスタンスとか3密避けようと道徳みたいに簡単に言うけれど、これ人生ゲームのルール変更ですからね。いままでは人混みがあったので、だからそこで商売するというのが、人混みは作ってはだめ、それで商売しなさいってルールが変更になったのですからね、たいへんなことですよ。ちょっと気を付けようというレベルのことではないんですよ。新ルールならそれに順応した商売形態は出来てくるだろうけど、いままでの形態の多くは壊滅的なことになる。いずれなる。
いままでがんばってきたのに急なルール変更。理不尽だよね。
なんとかならないかと最近常に心を痛めている。
(コロナでちょっと道草コーナー)
主人公の千秋が、パリのマルレという伝統はあるけど今はぼろぼろのオーケストラの常任指揮者になって建て直すというお話の部分があるんだけど、昔からこのオケの定期会員のじいさんが、よれよれしながらいつもの自分の席について演奏を聴いた。千秋が見事な指揮をしてのけてこのオケで久しぶりのブラボーの声が巻き起こった。 その時の、うれしそうに顔を上気させて拍手をするじいさんが漫画でうまく描かれていて、私はそのじいさんの気持ちが良くわかった。
「我が交響楽団」というのはそういう感じで言っただけなのです。
■参考:「ウィーン少年合唱団が窮地 コロナ流行で公演休止、資金難」
新型コロナウイルスの大流行を受け、500年超の歴史を誇るオーストリア伝統の「ウィーン少年合唱団」が窮地に追い込まれている。
(2020年6月10日、中日新聞より)
最近の若者は良い音で音楽を聴くということを知らない
なんだっけ?あっコンサートに行かなくなったこと。
それで最近ではもっぱら録音でクラシックを楽しんでいるんだけど、最近は良い音で音楽を聴くということを若者はしなくなった。機器は優秀でなんでも一応立派な音が出るし、電子楽器を聴いているから音の品質基準を持っていない。より良い音でオーディオで音楽を聞きたいという動機をあまり持ち合わせていない。
ところがクラシックのコンサートに良く行った人間には、オーディオが出す音の良し悪しというのは死活問題で、すなわち悪い音だと感動できないん
だから始末が悪い。
じゃあ、どういう音が良い音なのか?お前はどういう音を求めているか?
と聞かれても、これは簡単には説明できないので、ここではしない。
それでここでは良い音を出すにはどうしたら良いのか?というノウハウだけをお教えしたいと思う。興味がない人はここでさようなら。
クラシックをすばらしい音で聴くためのノウハウ
高い機材でなくてもよい
話すことは山ほどある。私はこう言ってはなんだけど、すばらしい音で聞けているのです。それを実現するためのノウハウはいっぱいあるのだけど、先ずは順番にお話しする。ちなみにそれをすべてやるとそれなりにお金はかかるけど、私はそんなに高い機材を使っているわけでない。たとえば私が使っている真空管アンプは一台5万円。
音源:CDとDVDをパソコンに入れる
先ず、音源なんだけど、ここはちょっと古いと言われるかもしれないけれど
CDとDVDに限定してみよう。(他の音源については後で話すから安心して欲しい。)
昔、バブルのころCDプレイヤーにしても高級品がもてはやされ、オーディオ雑誌にもさもさもしく紹介されたりした。一台100万円のなんてざらにあった。
ところが、これは10年前くらいからの常識なんだけど、CDもDVDもパソコンで聴くのが一番音の良い方法で100万円のCDプレイヤーはもはや時代遅れになってしまったという事実がある。(メーカー紐付きのオーディオ雑誌は決して認めない。)
CDもDVDもリッピングソフトでデーターをハードディスクに一度入れる。
CDの場合、私はExact Audio Copyという無料ソフトを使ってWAVファイルにする。
DVDの場合はビデオシュリンクというやはり無料ソフトをつかってリッピングするとハードディスク上にAUDIO-TS VIDEO-TSというふたつのファイルができる。
それをビデオスタジオというソフトを使ってMPEGファイルに変換する。
あとは適当なプレイヤーソフトを使ってパソコンで再生すれば良い。
私は特別なソフトは使っていない。ウインドウズ・メディア・プレイヤーを使っている。
ここで絶望しないで欲しい。DVDはちょっとやっかいかもだけどCDのリッピングは簡単。それもできない人はユーチュブを再生すれば抜群の音質の無料映像がごろごろしている。
再生:DDコンバーターを準備する
ただパソコンで再生しろと言ってもパソコンの貧弱なスピーカーで聞けと
言ってるわけではない。パソコンのヘッドフォン出力をアンプにつないで
聴けと言っているわけでもない。
ここで<DDコンバーター>なるものを用意する必要がある。
アマゾンで探せる。USBスピーカーって売っているでしょう。パソコンに
挿せばスピーカーから音が出る。DDコンバーターではパソコン(USB端子)に挿すとDDコンバーター本体にオーディオデジタル出力があってそこに音楽信号が来る。
オーディオデジタル出力を知らない人も出てきたし、最近はHDMIに音声信号も入ってきているので、オーディオデジタル出力を廃止した機器も多い。
しかしトウシロウにはこういうところから説明しないといけないことに気が付いて書いていて疲れる。
整理するとパソコンで音楽ソフトを再生する。そのパソコンにはDDコンバーターがつないである。DDコンバーターにはオーディオデジタル出力があって、そこにパソコンからの音楽信号が来ている。
DDコンバーターはアマゾンで探せて、3000円くらいから数万円くらいまでいろいろあるけれど、こればかりは試してみないと良い音かどうかわからないからどれが良いかはなんとも言えない。掘り出し物がある可能性もあるし高くてもだめな場合もある。こういうところがオーディオ道のきびしいところ。
こういうことが嫌だったらオーディオ道はできない。
ちなみに私はインフラノイズという会社のUSB-101というのを使っていて10万円くらいだったかな?アンプより金をかけているわけだけど、ここはけちるわけにいかない部分。
ちなみにパソコンはなんでもよい。昔はひどい音のパソコンもあったけれど
今はそんな悪いのはなくなった。聴き比べたら違いは出るだろうが、どのパソコンからもすごい音が出る。いいですか、すごい音が出るんですよ。
パソコンのクロック周波数が140Mhzになったころ、やっとWAVファイルを再生できる様になってきた。そのころ今で言うipodの様なことがやりたくてハードディスクにWAVファイルをたくさんいれて音楽再生を試みたがすぐ音飛びして脂汗かきながら調整したし、160Mhzのパソコンが欲しいなぁなどと思ったりもした。今はパソコンはお化けのような機械になった。
次回はデジタルオーディオ出力に何を繋ぐか。
2020年6月7日、ケゾえもん記