ダーリンはアフリカ人:赤い糸で結ばれていた運命の人

 

(2017年8月27日写真追加)この夫婦に会うたびに、こんなにお似合いの彼らは、この広い地球で一体全体、どうやってお互いを見つけたのだろうと思っていた。

日本中探しても、これほどぴったりの相手はいないのではないかと思ってしまう。

どこでどうやって知り合ったのかと聞くと、香津子(仮名)は、コンピュータを指差してニカッと笑った。「あったかくて、みんなに慕われる民宿のおかみさん」タイプ、と言ったらイメージが湧くだろうか。

きっかけ

香津子は、秋田の実家で父や妹たちと暮らしながら、週末のボランティアとして、国際教養大学の留学生を受け入れていた。

その数年前に、1年間、ニュージーランドでワーキングホリデイをした時に身につけた英語力が、日本に帰国してどんどん落ちていくのをなんとかしたい。そんな話を留学生にしたところ、出会いサイトのMeeticを勧められる。

何気なしに登録したところ、ジョージ(仮名)からメールが届いた。

ジョージは、カメルーン出身のアフリカ系スウェーデン人。本気で嫁探しをしていると言いながら、自分はこんな人間だと一生懸命語るその文面からは、真面目さと誠実さが伝わってきて、微笑ましくも好ましくもあったが、あくまでも英語目的で、メールのやり取りを開始。

メール交換を通じて、次第にジョージを意識し始めるようになった香津子。

7ヶ月後、会いに来て欲しいと言われた時には、香津子も本気になっていた。派遣の仕事も区切りよく、2か月の旅程のチケットを購入。もしかすると、実物のジョージに会ったら、失望してしまうかもしれない。その時にはその時、パリの友人を訪ねてもいいなと、そんなバックアッププランも心の中で準備した。

ジョージに会いに行く覚悟を決め、準備を進めながらも、同居していた父親には、何度も言いかけては言いそびれ、なかなか言い出せなかった。香津子が20歳の時、母親が他界したあと、三人娘の長女として、父にも、独身の妹たちからも頼りにされている香津子だった。

対面

ストックホルムの空港に到着し、ジョージを見た瞬間、香津子はこう感じたと言う。

あっ、どこにいたのよ。

それは、今まで一緒に行動していたのに、ちょっとはぐれてしまった家族に向かって持つような思いだった。

「前世のどこかで、家族だった人にちがいない!」と直感的に思うぐらい、とても初対面とは思えなかったそうだ。

そして2か月間を共にして、二人は当然のごとくに結婚を決めた。

スウェーデンに嫁入り

それから約半年後、香津子はスウェーデンに渡る。

さらにそれから半年後に入籍。

2007年5月、香津子35歳、ジョージ39歳だった。

2007年10月、長男誕生。2009年、2013年には長女と次女が生まれ、賑やかな5人家族になって現在に至る。どこに行くのもいつも一緒の仲良しファミリーだ。
2015年、アフリカ・カメルーンにて。

2016年12月、自宅にて。背景のテレビはやっぱりアフリカ放送?

そして結婚10周年

あたしは、日本人にしては、大雑把。ジョージは、アフリカ人にしては几帳面で細かいから、ちょうどいいんだよね。

大らかな秋田女と繊細なアフリカ男児の絶妙な組み合わせ、そのぴったり感は、10年経っても変わらない。

※二人の最新映像。本日、撮りたてのセルフィ写真。

ファミリーは、この夏、日本で過ごす。
長女と次女は初めての日本。長男と香津子は9年半ぶり。

数年前、知り合った頃、長く日本に帰っていないと言っていた香津子。「帰れるものなら、明日にでも帰りたいよ。」という言葉に胸がきゅんとなった。遠い異国の地で、故郷に思いを馳せながら繰り広げた、笑いと涙のドタバタ母ちゃん奮闘記。ぜひ、どこかのテレビ局に取材してもらいたい。

(2017年6月4日、記。)

おまけ:カメルーンで流行中のビーチサンダル

2017年6月17日香津子の履いていたサンダルは、クリスマスに帰省したジョージが、アフリカはカメルーンから持ち帰ったもの。カメルーンで流行中のサンダル、飾りは毛糸という斬新さ。濡れたらどうなるのか知りたいところ。

日本でのナイスなショット!

日本の暑さは、ファミリーにはきつかったようだ。長男は、京都観光中に、暑さのあまり、鼻血を出してぐったりしていたという。とにかく、毎日、炭酸飲料水が手放せなかったとか。そして、何気なく撮った父娘のこの1枚!
そのままスプライトの広告に使えそうな、ナイスショット!

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