ガイアの夜明け、”大戸屋「買収劇」の真相”(2020/10/6)を見たケゾえもんが思ったことと、ホクオの大戸屋の思い出から成る1,400文字。
(文=ケゾえもん)
ガイアの夜明けで大戸屋についてやっていた。
コロワイドという外食産業を多数傘下に治める大きな会社に株式を20%持たれてしまい、セントラルキッチン(レストランの台所で作らないで工場で作る)にしろをはじめとする要求を突きつけられた。
番組では、テストキッチンで窪田社長が試食をする様子とか豆腐を各店舗の自家製で出す様子とか鰹節を削りたてで出す、大根おろしはその場で作るこだわりとかを見せる。
コロワイドの野尻公平社長は、なにばかなことをやってるんだ。だから大戸屋は高いし料理が出てくるのが遅いんだという態度。
コロワイドの「理不尽な」要求に対抗する窪田健一社長。大戸屋の味は消させない。
巧に株主総会を乗り切った窪田社長。そこらへんの奮闘を描くのがガイアの夜明けの最初の目論見だったはずだけど一転。
2週間後にコロワイドからTOB(公開買付け:take-over bid)がかけられ、それが成立。
50%以上の株をにぎられコロワイドに乗っ取られ、コロワイドの要求により近く開催される臨時株主総会で大戸屋の現経営陣はたぶん全員辞任させられる。
・・・そこまでの番組の流れでは、大戸屋に感情移入する視聴者に「コロワイドはひどい」と思わせるのだが、これが一転する。
大戸屋はカリスマ経営者、三森久美が大きくした。
ところが三森は57歳で急逝。
その2年前、三森は20代の息子智仁を重役に抜擢して将来の経営を任せようとしていたのだが、三森が死んだ後、三森のいとこの窪田現社長が後を継ぎ、智仁を追い出した。三森が死んで数年後のことだった。
そしてその智仁が最近持っていた20%の大戸屋株をコロワイドに30億円で売却。(その20%の株は三森久美が死んだ後に発生した10億の相続税を智仁が借金して工面してなんとか保持した株だった)
大戸屋は苦境に陥り、結局乗っ取りを許すことになる。
事情はどうあれ窪田さん、20%の株を持っている人を追い出したりしちゃだめだよ。
しかもコロワイドは今選任を要求している新経営陣の中に非常勤取締役として三森智仁を入れている。創業家の名前を使って企業統治を成功させようというわけだろう。
(2020年10月23日、ケゾえもん記)
数年前、銀座で新春歌舞伎を観た帰りに寄った店だが、もう夜の10時だというのにおひとりさま客でいっぱいだったのでたいそう驚いた。大都会トーキョーならではのあの光景は、コロナの今、どうなっているのだろう。