「神は存在するか? その1」
(ケゾえもん 2023.5.1. 記)
イーロンマスクは我々の世界は非常に発達したコンピューターが作り出す仮想現実で我々の思考もまたコンピューター内で動作する仮想現実に過ぎないと信じているらしい。
イーロンマスクはやがてコンピューターが充分発達すると現実と仮想現実の区別がまったくつかなくなる。それであれば今われわれがすでに仮想現実にいると考えておかしくないとも言っている。イーロンマスクはそうであっても、それを確認する方法はないとも言っている。
私はイーロンマスクの主張について上記以上のことは知らないけれど、最近の科学的発見により、我々人間が自然界で自然に発生したと考えるのは少々無理があると考えるようになった。
なぜかというとどう考えても我々が存在する確率が低すぎるのだ。そしてこの世がわれわれが存在するのに都合が良すぎるのだ。おいおい説明する。
まず、もしもだよ、なにものかが我々を作ったとしたら、作るためには材料が必要だ。我々は元素でできている。元素は118種ある。そのうち地球上には90種類くらいが存在するという。まあだいたいこの世に100種類の元素があるということだ。
我々の人体を作る元素というと37の元素が知られている。その多くが必須だと思われている。つまり人体を作るのに約40種類の元素が必要だということだ。
元素は100種類作られた。人体を作るのにそのうち40種類もの元素が使われた。用意された感がむんむんしないか?もちろんこれだけで同意してもらえるとは思っていない。話を続けよう。
カール・セイガンは生前に我々は星くずから作られたと言っていた。説明しよう。
ビッグバンで作られたのは水素とヘリウムだけ。その水素とヘリウムが重力で集まり星ができた。星は核融合反応を起こし徐々に重い元素が作られる。しかし、核融合で作られるのは鉄までの元素でそれ以上に重い元素は星が超新星爆発をおこしたときに作られる。つまり我々の体に入っている鉄よりも重い元素は必ずどこかの星の超新星爆発によって作られた材料でできている。我々は星くずからできていると言えるゆえんである。
私は若い時その話を聞いたとき、へーっと思った。宇宙は広い、時間はいくらでもある。だから超新星爆発などというまれな現象でも、やがてその材料がたまって100種類の元素を持つ惑星を作るもんなんだなと思っていたんだ。
ところがところが、なんとなんと宇宙は始まってからまだ138億年しかたっていないという。それだと超新星爆発でできた100種類の元素がある程度の濃度になり我々の地球のような惑星を作るには絶対的に時間が足りないのだ。
我々の銀河系は1000億の星を持つが超新星爆発は100年に1回しか発生しない。たとえばいまから10兆年後なら1000億回の超新星爆発が発生して充分な100種類元素が銀河系(他の銀河と合体しているだろうが)のどこにでもある状態になるかもしれない。しかし銀河系はまだ120億歳くらいだ。超新星爆発はまだ1億回しか発生していない。
我々は今銀河系の中心から26400光年離れた空っぽの空間にいる。そこで太陽が46億年前に生まれたとするとそのころ超新星爆発はまだ5千万回しか発生しておらず、水素とヘリウムしか材料はなく、その太陽のおこぼれの材料から生まれた地球もほぼ水素とヘリウムでできていた筈なのだ。しかしそうではない。地球は岩石でできている。どうしてか?それも実は最近の科学研究で判明している。これまた驚きのシナリオで誰かが意図的にそうしたとしか思えないのだ。
そのストーリーを解明したのは2013年ヨーロッパ宇宙機関によって打ち上げられたガイア衛星である。
(続く)
ケゾえもん 記
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