ケゾえもん7月25日〜26日にわたる大量寄稿、6400文字。
先日、高橋説に関心を示していたケゾえもんの目が、上久保説にはさらに輝いたようだ。
編集している間に追加が寄せられ結局力作三部作になったので、背景から説明しておきたい。
数日前のこと・・・。
ところで拡散してほしいYouTubeを見つけたのですが、この教授は、自分の考えではなくデータを元に話していて、この内容を早くから安倍首相にも説明されていたそうです。
ホクオさんはご興味ないかもしれませんが、もしこのYouTubeをご覧になるなら、最後の3分の1だけで十分ですよ。
この情報が、ケゾえもんの目を光らせたらしい。
以下、コロナ分析に関心をお持ちで、データやグラフの好きなみなさまに、ケゾえもん講話をお届けする。
安倍首相の耳にも入っている「日本ではすでに集団免疫達成」説
Youtubeで「日本では既に”集団免疫が達成”されている」なる映像がリリースされている。出演者は上久保靖彦京都大大学院特定教授。
本当にその通りなら、こんなに良いことはない。
では信憑性は?
結論を言えば私はかなりあると考えている。
それはつじつまがあっているから。そして上久保教授が説ではなくデーターに
基づいていると主張していて、その図表などがそろえられているから。
そしてデーターの出所も(この映像で可能な範囲で)明らかにしているから。
単なる説でデーターにも基づいていない例として岡田晴恵の集団免疫に対する意見をあげよう。
岡田晴恵は以下の様に主張し続けている。
「集団免疫を獲得するには、国民の70%以上が感染する必要があり、獲得には10年かかり、その間膨大な犠牲者が出るので、集団免疫を目指すのは、まったく現実的でなくやはりあくまで隔離による流行抑制を目指すべきである」
この意見で<70%>も<10年>も<膨大な犠牲者が出る>も、岡田晴恵の意見に過ぎず、データーにも基づいていない。
一方上久保教授は、自説を6月12日に安部首相に直接会って説明したらしく、約40分もの時間を費やして首相はそれを聞いている。
もっとも首相に会ったことがイコール信憑性を高めるわけではなく、首相が専門家に会って意見を聞くというのは日常普通に行われていることだ。映画「シンゴジラ」で大杉 漣扮する内閣総理大臣が3人の専門家からゴジラの正体に関して意見を聞き、どれもしょうもない意見だったので、時間の無駄だったとぼやく場面はそういうことのパロディである。
内閣総理大臣の行動は、必ず新聞各紙により発表される。
6月12日の安部首相の行動は以下の通り。
<12日の安倍首相の動静> 2020/6/12
▽7時44分 公邸から官邸。49分 岡田官房副長官。
▽8時23分 閣議。40分 衛藤沖縄・北方相。53分 国会。
▽9時2分 参院予算委員会。
▽10時37分 官邸。
▽13時22分 国会。36分 参院本会議。
▽14時21分 官邸。35分 林官房副長官補、今井補佐官、秋葉外務次官。58分 外務次官。
▽15時1分 上久保靖彦京都大大学院特定教授。40分 河村建夫衆院議員。
▽16時10分 北村国家安全保障局長、林官房副長官補、滝沢内閣情報官、
山田外務省総合外交政策局長、防衛省の槌道防衛政策局長、山崎統合幕僚長。36分 内閣情報官。
▽17時7分 河野防衛相。
(以下略)
6月12日に上久保説を聞いて、安部首相がどういう感想を持ったのか?
完全に理解したのか?
私はそれは知らない。
では、上久保の説とはどんなものだろう?
(2020年7月25日、ケゾえもん記)
上久保教授の説に信憑性がある理屈
ここで、上久保教授の説は嘘か嘘でないかすぐわかってしまうという理屈を考えて欲しい。
上久保教授は日本ではすでに集団免疫が形成されていると言っている。
しかもほぼ全員感染という主張なのだ。
従って日本でのコロナの死亡者は現在ほとんどゼロで、たまに出る死亡者は流行時に重症化してエクモにつながれ、人工的に生かされた人々が死を迎えているに過ぎないと言っているのだ。
つまり、この死者数が少しでも増加の傾向を見せた瞬間に上久保の負けである。
上久保教授は今現在PCR検査陽性者数が激増しているのを知っていてそう言っている。
例えば岡田晴恵が集団免疫は10年たたないと成立しないと言って、本人10年の安心期間があると思って口走っているのとこれはぜんぜん違う。
さて上久保教授は現在、コロナに対する集団免疫が日本では成立と言っている。
この説で登場するのは3つのコロナ型である。
それはS型、K型、G型。
この3つの型があるのは、国際的なウイルスのデーターベース機関のgisaidに登録されている検体を調べることでわかるらしく、想像でも推察でもなく確定させていることらしい。
S型は中国武漢で昨年12月に発生した。ほとんど普通の風邪と変わりない、無症状か軽い風邪の症状を発生させる弱いウイルスだ。
このS型は12月23日には日本に到着して流行を開始した。
中国武漢でコロナは次にK型に変異した。
K型は1月13日に日本に到着している。(どうして日までわかるかは後で説明する)
S型は非常に弱くかかってもT細胞免疫もB細胞免疫も作れない。
K型も弱いがS型より強くこれにかかるとT細胞免疫ができる。
B細胞免疫とT細胞免疫の違いは、私が付け焼き刃の知識で解説するよりご自分で調べることをお勧めする。ただB細胞から作られるのがいわゆる抗体でこれが一番強力な軍隊だ。
話は続く。
1月13日に入ってきたK型は、たちまち日本を席捲した。
1月20日から2月1日の間だけで中国から34万人の人が流入(2月3日衆議院予算委員会で森雅子法相)したし、11月から3月まででは184万人が中国から来ていた。
日本が中国からの入国を禁止したのはやっと3月9日になってからなのだ。
それまでは自由に中国から観光客が来ていた。
S型、K型の日本流入を証明するのが2019年から2020年シーズンのインフルエンザの流行を示す図だ。
普段の年なら大きな単純三角形を示すグラフが、ゆがんでいる。
ウイルス干渉と言って、ひとつのウイルスが入った人体には他のウイルスが入れないということがあるらしい。12月23日にS型が入ってきたことによりインフルエンザの流行が抑制されたことがわかる。S型は弱いので、その後インフル優勢になってきたが1月13日のK型流入によりこの年のインフルエンザの流行が治まってしまっているのがわかる。そのかわりK型が猛威をふるっていたのだ。
私の彼女もこのころ長引く風邪をひいていたが、K型にかかっていた可能性は高いと思われる。
さて中国武漢である。S型、K型と変化したコロナは突然凶暴なG型に変化した。
G型は高い確率で肺炎を引き起こす。世界を驚かしたあれである。
アウトブレークは12月30日に発生、翌年1月23日に中国政府は武漢を閉鎖した。このころまだコロナはK型が主流でK型のウイルスを持った人々が500万人このときまでに武漢を脱出してそのうち9000人が成田に直行したことがわかっている。
その後G型はもちろん日本に入ってきたが、すでに日本はK型での集団免疫状態に入っていた。
ちなみに基本再生産率から計算されるK型に必要な集団免疫は国民の50%強程度だ。
一方、より強いG型は集団免疫に必要なパーセントは85%と計算されている。
従ってK型の集団免疫を持っている日本でもG型はまだ感染していない人を狙って非常に小規模な流行を発生させることができた。この流行でG型は約1000人を殺すことができた。
K型が流行した残りの人口に流行させるしかなかったG型は、やがて流行し尽くし日本人はG型に対しても集団免疫を獲得した。5月のゴールデンウィーク明けのころになる。そしてそれからはコロナで死亡する人はほとんど出ていない。
上久保教授は今後の第二波の可能性について、以下の様に述べている。
免疫が強い期間が比較的短いのでその可能性がないとは言えないが、ほぼ100%の日本人が免疫を持っている現状と、ウイルスが環境からまったくなくなったわけでないので、時々吸い込むことによって免疫をブーストさせる効果があるので第二波の可能性は低いと言っている。
ただ非常に強いロックダウンなどするとブーストがまるで発生せず第二波をまねくことはあり得るとは言っている。
ちなみに「コロナはたいしたことない説」の私は、上久保説を聞く前から時々マスクを外して環境に自分を曝露させることを心がけるようにしている。ドクターエリクソンの教えがあるからである。
人混みでは、もはやマナーになってしまっているのでマスクはする。
ただ夜走る時や自転車に乗るときはマスクはしない。
もちろん車を運転するときも外している。
オフィスでもいつも外しているので来客時、ばつが悪そうにあわててマスクをする。
では欧米ではなにが起こってしまったのか?
上久保は1月23日の武漢閉鎖にびっくりしてヨーロッパの国々も米国も2月1日に中国からの流入を止めてしまったことが逆にわざわいを招いたとしている。2月1日に中国からの流入を止めた結果、欧米にK型が入ってこなくなってしまったと言うのだ。したがって欧米では日本の様にK型の大流行が発生しなかった。そこにどこかから、より強力なG型が流入し流行を開始した。
(2020年7月25日ケゾえもん、記)
高橋説と上久保説
インフルエンザについては危険なウイルスなので、(各国で)精密にサーベイランスされ続けているらしい。
図表は日本各地での2019年シーズンのインフルエンザの流行状況を示している。
この図表の左にあるのが、日本全国の流行状態で3年分ある。
2019年シーズンにあきらかなインフルエンザの流行抑制が発生していることがわかる。
ところで先週わたしが一押しだった、高橋説と上久保説の違いをまとめてみよう。
■欧米と日本の違いを主に生み出したもの
高橋説:自然免疫の少しの違い
上久保説:S型感染によるADE
■これまでコロナを体に入れた経験のある人数
高橋説:3600万人
上久保説:1憶2千万人
■これまでに死んだ人数
高橋説:1000人
上久保説1000人
■これから対策をしないと死ぬであろう人数
高橋説:3800人
上久保説:ゼロ人
■70歳以上の人でコロナが体に入った場合の危険性
高橋説:0.0044%が亡くなる
上久保説:もうない
■70歳以上で重症化した場合
高橋説:高い確率で亡くなる
上久保説:もう大丈夫
■30歳以下でコロナが体に入った場合の危険性
高橋説:コンマ4桁パーセント以下
上久保説:ない
■コロナが体に入った場合の重症化確率(全世代)
高橋説:万分の1以下
上久保説:だからないって
高橋説の弱点は、
- <3600万人が感染>がデーターに基づいていないこと。
- <コロナが1/2万5千の確率で凶暴化>がエビデンスに基づいていないこと。
- 欧米との差が10倍としているが実際には100倍近い差があること。
- まだ2800人死ぬ可能性があり、それが発生したとき(例えば100人でも)社会からのロックダウンしろと言う圧力が高まるであろうこと。(これは説の欠点とは言えないが)
などであった。
しかし高橋説は、<世の中流布説>より明らかに現実に即していた。
すべてのデーターを集めてそれに矛盾しないストーリーを組み立ててみるという発想は多いに賛同できるものだった。
さて上久保説に戻ろう。
欧米では2月1日に中国からの人の流入をシャットアウトした。
しかしその前にS型は流入しており、流行していた。
そしてシャットアウトの結果、欧米ではK型の流行は発生しなかった。
しかしその後G型の流行は発生してしまった。
ところがS型とG型は不幸なことに非常に相性が悪くS型にかかった記憶を人体の免疫機能が持っていた場合、G型にかかるとサイトカインストームが発生することになった。
これをウイルス学ではADEと呼んでいるらしい。
ワクチンとウイルスの相性が悪いとADEを誘発することがあるらしく、多くの人が新ワクチンを接種した後でないとそれを体に入れるのは恐ろしいのだ。実験でこのワクチンを接種すると抗体がいっぱいできたみたいだよ、わーいと言って安易に飛びつくと恐ろしいことが起こる可能性があるのだ。
だいたい集団免疫ができているならワクチンなぞ、必要ないだろう?
上久保は今、環境にコロナはたくさんいる状態だし、コロナを体に入れた経験を持つ人もたくさんいる。PCR検査をすればPCR検査陽性者がたくさん出るのは当然で1000件検査していたのを2000件検査すれば倍の陽性者が出ると言っている。しかし集団免疫が達成されている以上、それら陽性者は感染者ではないとも言っている。
上久保の説が正しいかどうか判断するのに、我々は彼のやったことをチェックするすべはない。しかも医学会の主流派はこのチェックをすることを好まないように思える。
それで、私はこれから2週間、死亡者数のグラフをチェックするつもりだ。
それでも上久保の言う通り、死者数が増える傾向がまったく見えない場合、私は上久保説を信じるつもりだ。
それ以外ここまで死者数がゼロに近い水準で居つづける説明をつけることができない。説明がつかないから、私は「がせは言うつもりはないが」と断ってウイルス弱体化説を言ったが、日本では集団免疫達成というなら話は別だ。それで説明はつく。
しかしいつもなら、「この説を政府は知っているのか?」と心配するところだが、すでに安部首相は知ってるんだよな。
(2020年7月26日、ケゾえもん記。)
上久保教授の該当のYoutube
https://youtu.be/hF0HBmIFWMs