脚本で振り返るコロナ騒動:ケゾえもんコロナシネマ「Covid19」第1話

ホクオ
日本でコロナ騒動の始まりがどんな感じだったか、リアルに思い浮かべることができるケゾえもん新企画の映画シナリオです。小林よしのりの「ゴーマニズム宣言コロナ論」と合わせてお楽しみください。

ケゾえもんシネマ「Covid 19」第1話

ケゾえもん
みなさま、本日は私のシネマ劇場にようこそ!

<中国武漢>
病院に押し寄せる人々。
中国語:「熱があるんだ早く治療してくれ!」
中国語:「咳が出て止まらない!」
中国語:「なんとかしてくれ!」

<横浜港>
横浜港沖に浮かぶダイヤモンドプリンセス号が映し出される。
船内アナウンス「乗客のみなさんには2週間の隔離をしていただくことになりました。許可なく客室から出ないでください。繰り返します。許可なく・・」
客室にいてそれを聞いているカップル。泣き崩れる女性。

<モーニングショー>

司会 「この船内隔離は妥当なものなのでしょうか?岡田さん」

岡田(高畑)「大切なことは、市中に感染を広げないことでございます。
このウイルスは潜伏期間が2週間あるというデーターが武漢などの例からも出ておりますから、船に乗っている乗客の方々には2週間の隔離を我慢していただく。サイエンスでございます。」

自宅でモーニングショーを見てるケゾエモン(堺雅人)。岡田の発言に怒っている。傍らにはケゾえもんの彼女(石原さとみ)がいる。

「それでは乗員はどうするんだ?乗員は感染しないとでも言うのか?」

「うーん、そうね。テレビを見てると食事を配ったり、乗客の世話をしてるわね。」

「そうだよ。サイエンスとまで言うなら、乗員からひとりでも感染者が出たら、
そこからまた2週間隔離しないと理屈が通らないことになる。」

「それに船内って隔離できる環境なの?」

「おそらくそうではないだろう。空調のダクトですべての部屋がつながっている筈だ。それに晒されて暮らしている乗客は恐怖だと思うよ。」

12日経ち、ケゾえもんは厚生労働省の友人に電話している。

「おお、ケゾえもんか久しぶり。いきなりなんだ。俺、今かなり忙しいんだ。」

「お前が忙しいのはわかっている。ダイヤモンドプリンセス号のことで話がある。2日後、乗客を無条件で解放しろ。」

「なにを言っているんだ、そんなことできるわけないだろう。」

「館内はダクトでつながっていてウイルスはまわり放題なんだろ。これからもつぎつぎに感染者は発生する。2週間経ったから解放すると言えば理由は立つ。理由が立つのが一番大切なのは、お前らが一番良く知っているはずだ。ここで解放しないと、いつまでもこれが続くことになるぞ。」

「・・・うむむ。」

「俺が調べたデーターを送るから見てみろ。1月20日から2月1日の間だけで中国から34万人が来ている。武漢から500万人が流出したというデーターもある。いくら武漢から直接の入国を禁止したからって、それはまったく無意味だ。
日本にすでに感染が広がっていないわけがない。症状のないダイヤモンドプリンセスの乗客だけ閉じ込めておいても仕方がないだろ。」

「うむむ、ではPCR検査をして陰性ならば・・・。」

「ばか、PCR検査なんぞしているうちに、船内でますます感染が広がるぞ。
乗員からも感染者が出てるのだろ?いまにそれもすっぱ抜かれるぞ。そうなったらもう金輪際乗客を下船させる大義名分をお前らは失う。
た い へ ん な ことになるぞ。」

「うっうっうっ。」

2日後、ダイヤモンドプリンセス号から次々に乗客が降りてくる。
家族と抱き合う人々。笑顔のカップル。弱ったおじいさんをささえて歩く老夫婦。

にっこり笑ってその様子を見つめるケゾえもん。

<モーニングショー>

司会「いま入った情報によると、下船した乗客の直前PCR検査は行われていないそうです。」

玉川(渡辺いっけい)「なんだー!それはだめだろ。」

岡田(高畑)「心配でございます。大変心配でございます。なぜ検査が行われなかったか私には理由がわかりません。」

司会「しかも、乗客たちはタクシー、電車などの一般交通機関を使って帰宅したそうです。」

玉川「政府は何をしてるんだ!ばかじゃないのか?!」

(2020年8月24日、ケゾえもん記)

ケゾえもん
小説形式で連載はじめたけど、考えてみるとゴーマニズム宣言と同じ手法だ。これ始めて見るとその利点が良くわかる。複雑なことが説明しやすいし、人を批判するのに精密な文章を書く必要がない。このコロナ騒ぎを振り返るためにちょっと連載しますのでよろしく。
ケゾえもん
付け加え。第1話ではケゾえもんが活躍しましたが、これは今人気のドラマ「半沢直樹」のパロディなんです。物語の中ではケゾえもんは、太鼓持ち的な役割を考えております。
 

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