マティスとモロッコと金魚

夏のいただきもの。涼しげな透明ゼリーに一匹の赤い金魚が浮かんでいる。郵便物に添えられていたカードは、マティスの赤い金魚だった。

金魚は17世紀ごろに東アジアからヨーロッパに輸入された。1912年ごろから、金魚はマティス作品に定期的にあらわれるモチーフとなった。少なくとも9作品以上は金魚をモチーフにした作品を制作しているが、本作は、ほかの作品と異なり、金魚そのものを主題とした作品である。

マティスが金魚に関心を持ちはじめたきっかけは、1912年の1月末から4月まで滞在していたモロッコのタンジールに滞在したときに手がかりがあるとされている。

マティスは、そこで地元の人たちが何時間も水槽の中の金魚を夢見るような視線で眺めていることに驚いたという。

マティスは、この金魚をずっと眺めているモロッコ人のライフスタイルを賞賛し、モロッコのライフスタイルこそ瞑想的で人生をリラックスをして過ごしているように感じたという。

つまり、マティスにとって金魚とは平穏な精神状態を象徴するモチーフだった。

1912年に描かれたこの油彩(The Red Fish)は、モスクワのプーシキン美術館所蔵。

Artpedia

長い夏休みが終わり、新年度が始まって2週間のスウェーデンはもう秋。夏が完全に終わってしまう前に、夏のお菓子をおいしくいただいた。

俵屋吉富の季節限定商品、伝統の涼菓『なつの声』は、日本でももう来年の夏が来るまで買えない。



【寄稿】私のお勧め映画その2(ケゾえもん)前のページ

メンバー全員70代のアバ(ABBA)、約40年ぶりのニューアルバムとコンサート:先行公開2曲が話題に!(動画付)次のページ

関連記事

  1. 文化、音楽、本

    ニルスのふしぎな旅

    ストックホルム、アーランダ空港の壁のニルスのオブジェスウェーデン…

  2. 雑学・雑感・その他

    スマホは現代のエイリアンか

     このイメージを見て、たしかにスマホは、現代のエイリアンかもし…

  3. スウェーデン、ストックホルム

    スウェーデン2017年のヒット曲、I can’t go on

    スウェーデンで毎年行われるメロディフェスティバル(Melodifest…

  4. 文化、音楽、本

    日本人アナウンサーのプロ根性動画が外国人に大評判

    西洋人から、日本人アナウンサーの16秒の動画が送られてきた。入ってき…

最近の記事

人気記事

  1. 骨折したときは腕を吊らないでください(スウェーデン医療)
  2. 【ケゾえもんコロナ寄稿】2020-2023 コロナ専門家たち…
  3. スウェーデンのゆるいコロナ対策は失敗か?死亡率グラフで一目瞭…
  4. 【コロナ寄稿】明けないコロナの夜明け:コロナの終戦はいつ?(…
  5. スウェーデンでタコパ:こだわりタコ・ラブラブわんこ・およげた…
  6. 報道ステーションでスウェーデン:日本人はなぜコロナをそんなに…
  7. 小林よしのり「ゴーマニズム宣言コロナ論」とケゾえもんコロナ映…
  8. 「スウェーデン方式の真相」と老人のコロナ死を自然死だと言えな…
  9. 不朽の名作映画「ニューシネマパラダイス」
  10. 流行の北欧ぬりえ作家ハンナ・カールソン、自分の両腕にもぬりえ…
  1. コロナ

    【コロナ寄稿】伊勢丹の営業時間はロックダウンが”ごっこ”の証(ケゾえもん)
  2. ケゾえもん

    【寄稿】忠臣蔵を知らない最近の若いもんに、素晴らしさと面白さを伝えたい(ケゾえも…
  3. スウェーデン、ストックホルム

    スウェーデンの日本人学校で2学期からマスクやフェイスシールド着用義務の通達
  4. ケゾえもん

    【ケゾえもんスポーツ観戦寄稿】周東佑京の走塁:分析編
  5. Uncategorized

    白くないクリスマス
PAGE TOP